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ハワイ島、旅行会社との関係重視-フライト、島内交通の改善も

  • 2012年6月24日

ハワイ島のアイランド・ウィークで旅行会社を訪問したメンバー。右から3番目がビッグアイランド観光局のホーナー氏。一番左がHTJ営業本部長の三枝氏  ハワイ・ビッグアイランド(ハワイ島)のマーケティング統括本部長のポール・ホーナー氏が来日し、今後のマーケティング方針と現況を語った。ハワイ州観光局(HTJ)が今年から開始した「アイランド・ウィーク」の一環で実施したもの。アイランド・ウィークでは隣島の各島の観光局、パートナーが大阪、名古屋、東京の旅行会社を訪問して現地情報のアップデートと旅行会社の意見収集、情報交換を行なった。

 6月12日に同職に就任したホーナー氏は、今後のマーケティングの方針としてハワイ島の表現を「ハワイ・ビッグアイランド」として浸透をはかることを説明。戦略上の指針として「インスピレーション」をキーとし、「見て、聞いて、感じたものが次の行動につながる。それを旅行中に取り入れられるものを作り、マーケティングにつなげたい」との考えを示した。詳細は後日の決定だが、ハワイ島特有の自然や歴史、文化など従来のリソースを有効活用したツーリズムをアピールしていく。特にイベントは旅行の動機づけになるものとし、島内のパートナーとともに観光目的にあわせて内容の改善や新規創出も考えていく。

 また、ホーナー氏は「最も重要なことは旅行会社と連携していくこと」と、日本の旅行会社の重要性を強調。今回のアイランド・ウィークでは「旅行会社と有意義な意見交換ができた」とし、その内容を今後のマーケティングやセールス、プロモーションにつなげていく意向を示した。例えば、意見の多かった島内交通については今後、コミュニティやパートナーを巻き込んで改善していく考え。また、現地情報についても、商品企画や販売に活かせるようなまとまった発信の仕方も検討していく。
 
 ホーナー氏によると、ハワイ島を訪れる日本人旅行者数は日本航空(JL)のコナ線撤退後も伸び続け、現在は当時より多い数が訪れているという。復便をJLとの交渉を続けていく意向で、クルーの滞在先やその時の島内移動などをコミュニティ全体でサポートし、復便をめざす考えだ。JL以外も、ハワイアン航空(HA)や大韓航空(KE)などアジアの航空会社にも交渉をしていく考え。現在、ハワイ州内の空港ではオアフ島とハワイ島のみにイミグレーションがあることから、「イミグレーションがあるうちに定期便を就航させたい」との意欲を示した。


▽アイランド・ウィーク、ハワイ島皮切りにスタート

 「アイランド・ウィーク」プログラムは、ハワイ州観光局(HTJ)が隣島のアピールと旅行会社との関係構築を目的に、今年から開始したもの。各島の観光局、パートナーを招聘して、約1週間の間に旅行会社を訪問し、現地情報の提供と情報交換を実施する。ハワイ島はその第1弾で、6月18日から22日の1週間、大阪と名古屋、東京を回った。現地ホテルや日本のセールスレップなどのパートナーも同行しており、ホテル側も「相互の事情を理解し、解決につなげる機会があることはうれしい」と期待を語った。今後は、カウアイ島、マウイ島など他の島も実施する予定だ。