ベトナム、震災後もプラス成長、50万人に向け中部エリア訴求継続

  • 2011年10月4日

ベトナム観光総局アシスタント・オブ・チェアマンのブー・ナム氏  ベトナム航空(VN)、ベトナム観光総局、フエ市観光局は、JATA旅博2011に合わせてベトナムプロモーションセミナーを共催した。ベトナム観光総局アシスタント・オブ・チェアマンのブー・ナム氏によると、ベトナムへの日本人訪問者数は2009年が35万9231人、2010年が44万2089人、2011年は1月から7月で26万8491人。日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室プロジェクト・マネージャーの山本信儀氏によると、東日本大震災の発生にも関わらず、対前年比で11.3%増で推移しているといい、「VWCの23の重点地域の中で2011年にどの月も前年割れしていないのはベトナムと台湾だけ」として、ベトナムを「底力がある手堅いデスティネーション」と位置づけた。

VN日本支社長 グエン・ミン・ハイ氏  その要因のひとつとして山本氏は「VNが震災後も日本路線を減便せず、座席供給数を守ったのが大きかった」と指摘。VN日本支社長のグエン・ミン・ハイ氏は「日本での長期的活動を見据えて、震災後の厳しい期間も減便、運休をしなかった」と挨拶で日本市場を重視する姿勢を示し、VN東日本地区旅客営業部の堀内健男氏は「長期的かつ持続的に安定した運航に努め、さらなる増便と路線の拡大を継続する」と方針を語った。

 山本氏のシミュレーションによると、2011年の日本人訪問者数は50万人に達する見込みで、50万5000人に達する可能性がある。そのためにもホーチミン、ハノイに次ぐ第3の訪問地としてフエやホイアンを擁する中部ベトナムの商品造成を呼びかけた。また、フエ市観光局アドバイザーの小野克己氏は「50万人の日本人訪問者数のうち純粋な観光客はおよそ16万人。そのうち中部ベトナムを来訪するのは約3万人で、まだまだ市場を拡大できる」と話す。フエ市は2012年に国際観光年に指定され、2012年にはさまざまなイベントが開催される。その目玉となるのが2年に1度開催されるフエ・フェスティバルで、2012年4月7日から15日の開催が決定している。小野氏はフエ・フェスティバルを盛り込んだ商品の早めの造成を促した。

 また、VNの堀内氏は旅行者数が減少する4月から7月の需要喚起につなげるヒントとして「雨季はスコールがあるが雨が降った後は涼しくなるので中部観光のベストシーズンともいえる。夏と冬とでツアーパターンを変える工夫が必要ではないか」と提案。また、以遠便を利用してインドシナ(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)のツアー造成などを呼びかけた。