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「ビジット・ジャパン・プラス」、官民連携で訪日促進へ

  • 2011年8月21日

 観光庁は、旅行業界を超えて他業界と官民連携で訪日外客の誘致をはかる「ビジット・ジャパン・プラス活動」を開始し、運動を支える枠組みとして8月19日に訪日旅行促進官民連携協議会を立ち上げた。観光庁長官の溝畑宏氏は、同日開催された定例会見で「観光庁のみならず地方自治体や民間と連携し、ビジネス観光、訪日観光を促進していきたい」と意気込みを述べた。

 ビジット・ジャパン・プラス活動は、東日本大震災の影響で訪日外国人客数が伸び悩むなか、観光業界だけでなく、地方自治体やさまざまな業種の企業と連携することで、インバウンドの復興支援、経済成長をはかるもの。訪日観光の新たな目玉やプロモーション手法の開発、外国人ビジネス客の訪日促進など取り組みを進めていく。具体的には、業界を横断しての外国人観光客向けの割引セールや、官民連携でのVJ事業のキャンペーンへの景品の提供、海外の外国人社員の研修や報奨旅行の積極的な誘致、海外で人気が高い企業へ訪問するなど新要素を組み込んだインバウンド商品の提供を進めていく考えだ。

 まずは運動を支える枠組みとして協議会を立ち上げ、その下に「新分野開拓ワーキンググループ」と「ビジネス観光促進ワーキンググループ」を設置。新分野開拓ワーキンググループでは、訪日客の誘致効果の高い商品やサービスづくり、及びそのプロモーションについて検討する。メンバーは日本政府観光局(JNTO)や旅行会社、ホテル、航空会社などとした。一方、ビジネス観光促進ワーキンググループでは、海外で事業を展開している企業などを中心に、報奨旅行やビジネス目的での訪日客の誘致のため、モデルの作成や賛同企業の拡大をはかる。

 溝畑氏は「10月、11月はインバウンド観光のかきいれどき」とし、秋の需要喚起をはかるため「すぐ実行できる対策と、長期的な展開が必要なものを早急に整理したい」と述べた。韓国の繁忙期である1月と2月、中国の春節などについても対策を練っていく。各ワーキンググループを早ければ8月末にも開催したい考えで、現在ワーキンググループのメンバーを選定中で、各ワーキンググループ20名程度となる見込みだ。

 なお、協議会メンバーは日本観光振興協会会長の西田厚聰氏、観光庁長官の溝畑宏氏、JNTOの間宮忠敏氏、日本旅行業協会会長の金井耿氏、全国旅行業協会(ANTA)会長の二階俊博氏ら旅行業界関係者に加え、日本経済団体連合会会長の米倉弘昌氏、経済同友会代表幹事の長谷川閑史氏、全国知事会会長の山田啓二氏。日本商工会議所会頭の岡村正氏も参加する予定だ。