アクセスランキング、1位はCOの新シート−「JALパック」の国内ツアー登場も
[総評] 今週のアクセスランキングの1位は、コンチネンタル航空(CO)のビジネスファーストクラスのシートに関する記事でした。COでは、2009年11月から180度リクライニングする新シートの導入を進めてきており、このほど、すべてのボーイングB777型機に装備できたとのことです。すでに何度か記事で触れていたCOのニュースが1位になったことは少し意外でしたが、逆に海外旅行において飛行中の体験がそれだけ重要だということを表しているのかもしれません。
一方、順位が思いのほか低かったのは、4位のジャルパックとJALツアーズの合併です。合併自体の方針はかなり前から明らかにされていましたので、そのあたりが伸びなかった理由かもしれません。今回、非常に驚いたのは商品ブランドが「JALパック」に統一されることです。「JALパック」といえば、現在も展開される海外パッケージツアーとしては最古のブランドですが、その名前で国内旅行を販売することになるわけですから、いくら知名度があるとはいえ思い切った決断だと感じます。とはいえ、変化を恐れない姿勢はこれからの旅行業界に不可欠ですし、その意味では来年1月に新しい「JALパック」の姿が明らかになるのが非常に楽しみです。
「ブランド」といえば、今週はジェイティービー(JTB)ブランド戦略部部長の今泉弘幸氏のインタビューも掲載しました(リンク)。10位以内には入りませんでしたが、旅行業界でのブランドについて考える上で有益な材料が得られるように思います。例えば、今泉氏はJTBブランドとは「お客様との信頼の絆」であると表現されていますが、これは、他社のブランドでもいえることです。ブランドとはいってみれば信用を得るためのもので、例えば同じ品質に見えるものが並んでいて、片方のみが有名ブランドの製品と保証されれば多くの人がそちらを選ぶでしょう。
私は個人的に、旅行会社の社会的存在価値として今後重要になってくるのは旅行会社の信頼性であると考えています。インターネットでの旅行流通が従来型の旅行会社の経営を圧迫していますが、現在のところ旅行先での「ケア」はまだまだ従来型に一日の長があります。旅行の安全を保証してほしい、旅行の満足度を約束してほしい、といった消費者の欲求は際限ないものですべてに応えることは困難ですが、その努力は間違いなく信頼につながります。
ただし、その際に気をつけなければならないであろうことは、それらの努力を日本的な意味での「サービス」として提供してしまうことです。ただでさえインターネット販売よりも高コストの体制にもかかわらずインターネットと価格で張り合い、さらに無料のサービスを充実することなど不可能です。信頼を付加価値にしなければなりません。服飾品の高級ブランドがなぜ「高級」なのか、なぜ高くても売れるのか――私はこうした事情に疎いですが、それこそがブランド戦略なのではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年12月第2週:12月6日2時〜12月10日18時)
第1位
◆コンチネンタル航空、B777全機にビジネスファースト新シート導入完了(10/12/08)
第2位
◆JTB、“電子ギフト”を販売へ、企業・法人向け販促ツール(10/12/06)
第3位
◆11月の旅行業倒産件数は今年最多の7件に、RAJの負債総額は7.8億円(10/12/09)
第4位
◆ジャルパックとジャルツアーズ統合へ−商品ブランドを「JALパック」に統一(10/12/07)
第5位
◆ケアンズジャパンミッション、大自然をアピール−JQは乗り継ぎ利便向上へ(10/12/06)
第6位
◆キャセイ、LANペルーとコードシェア−ラテンアメリカ4都市目(10/12/07)
第7位
◆エミレーツ航空、イラク・バスラに就航へ−2月2日、週4便で(10/12/08)
第8位
◆アシアナ航空、インフィニと共催セミナー開催−多様な運賃設定をアピール(10/12/06)
第9位
◆JTBWV、中部発ヨーロッパ商品を先行発売−早期販売開始で需要取り込みへ(10/12/09)
第10位
◆ベトナム航空、成田/ホーチミン線をダナン経由に−冬スケ限定で(10/12/06)
一方、順位が思いのほか低かったのは、4位のジャルパックとJALツアーズの合併です。合併自体の方針はかなり前から明らかにされていましたので、そのあたりが伸びなかった理由かもしれません。今回、非常に驚いたのは商品ブランドが「JALパック」に統一されることです。「JALパック」といえば、現在も展開される海外パッケージツアーとしては最古のブランドですが、その名前で国内旅行を販売することになるわけですから、いくら知名度があるとはいえ思い切った決断だと感じます。とはいえ、変化を恐れない姿勢はこれからの旅行業界に不可欠ですし、その意味では来年1月に新しい「JALパック」の姿が明らかになるのが非常に楽しみです。
「ブランド」といえば、今週はジェイティービー(JTB)ブランド戦略部部長の今泉弘幸氏のインタビューも掲載しました(リンク)。10位以内には入りませんでしたが、旅行業界でのブランドについて考える上で有益な材料が得られるように思います。例えば、今泉氏はJTBブランドとは「お客様との信頼の絆」であると表現されていますが、これは、他社のブランドでもいえることです。ブランドとはいってみれば信用を得るためのもので、例えば同じ品質に見えるものが並んでいて、片方のみが有名ブランドの製品と保証されれば多くの人がそちらを選ぶでしょう。
私は個人的に、旅行会社の社会的存在価値として今後重要になってくるのは旅行会社の信頼性であると考えています。インターネットでの旅行流通が従来型の旅行会社の経営を圧迫していますが、現在のところ旅行先での「ケア」はまだまだ従来型に一日の長があります。旅行の安全を保証してほしい、旅行の満足度を約束してほしい、といった消費者の欲求は際限ないものですべてに応えることは困難ですが、その努力は間違いなく信頼につながります。
ただし、その際に気をつけなければならないであろうことは、それらの努力を日本的な意味での「サービス」として提供してしまうことです。ただでさえインターネット販売よりも高コストの体制にもかかわらずインターネットと価格で張り合い、さらに無料のサービスを充実することなど不可能です。信頼を付加価値にしなければなりません。服飾品の高級ブランドがなぜ「高級」なのか、なぜ高くても売れるのか――私はこうした事情に疎いですが、それこそがブランド戦略なのではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年12月第2週:12月6日2時〜12月10日18時)
第1位
◆コンチネンタル航空、B777全機にビジネスファースト新シート導入完了(10/12/08)
第2位
◆JTB、“電子ギフト”を販売へ、企業・法人向け販促ツール(10/12/06)
第3位
◆11月の旅行業倒産件数は今年最多の7件に、RAJの負債総額は7.8億円(10/12/09)
第4位
◆ジャルパックとジャルツアーズ統合へ−商品ブランドを「JALパック」に統一(10/12/07)
第5位
◆ケアンズジャパンミッション、大自然をアピール−JQは乗り継ぎ利便向上へ(10/12/06)
第6位
◆キャセイ、LANペルーとコードシェア−ラテンアメリカ4都市目(10/12/07)
第7位
◆エミレーツ航空、イラク・バスラに就航へ−2月2日、週4便で(10/12/08)
第8位
◆アシアナ航空、インフィニと共催セミナー開催−多様な運賃設定をアピール(10/12/06)
第9位
◆JTBWV、中部発ヨーロッパ商品を先行発売−早期販売開始で需要取り込みへ(10/12/09)
第10位
◆ベトナム航空、成田/ホーチミン線をダナン経由に−冬スケ限定で(10/12/06)