アクセスランキング、1位は事業仕分け、「観光立国」はどこへ?
[総評] 今週の1位は、事業仕分け第3弾の記事となりました。詳しくは記事をご覧いただくとして、対象となった観光関連7事業のうち、廃止が3件、予算縮減が3件、予算計上見送りが1件と判定されています。当日は実際に仕分けの議論を聞いていましたが、率直な感想として理解に苦しむ場面が多々ありました。とにかく細かな論点ばかりが取り上げられ、事業全体の本質についての判断を下せるとは到底思えないままの議論で判定が下される様子を見ていて、官僚を叩いて国民のガス抜きをするための“政治ショー”といわれる理由がよく分かりました。
議論では、全体的に効果検証が不足しているとの指摘が多く聞かれました。これは、仕分けが“無駄な予算を削る”ための作業とすれば当然といえば当然です。しかし、そもそも政府の成長戦略として観光立国を掲げているなかで、当該事業の目標や目的が望むべきものと認められるのであれば、その目標なり目的の実現に向けて“予算が無駄にならない方法”を議論すべきではないのかと思います。
また、ビジット・ジャパン事業の議論で、ある仕分け人から「受け入れ先の環境整備を日本全国でやろうとするから金がかかる。外国人旅行者に人気の高い場所は限られているのだから、そこに選択と集中して…」といった趣旨の発言もありました。観光立国推進基本法を無視するような内容で、何をかいわんやですが、この程度の認識で仕分けられる方はたまったものではないでしょう。
ただ、一方で観光庁側の説明も、人によって説得力にバラつきがあったように思います。どのような場なのかは分かっていたわけですから、その意味ではもう少し準備ができた可能性もあります。また、こうした仕分けの結果や先述の仕分け人の発言は、「観光がいかに日本を潤すか」という基本認識を国民レベルで浸透できていないことの裏返しなのではないかとも思います。
とはいえ、概算要求全体が96兆円という中で、今回廃止と判定された3事業の要求額は合計9000万円。観光関係全体でも約38億2000万円です。政治については一般メディアを通して得た程度の情報しか持ち合わせておらず、何かを主張するべき立場にはありませんが、「観光立国はどうなった、他にもっと無駄があるんじゃないのか」と恨み言の一つも言いたくなる“ショー”でした。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年11月第3週:11月15日2時〜11月19日18時)
第1位
◆再仕分け、国内観光3事業廃止、訪日も減額・見送り−効果検証不十分と指摘(10/11/16)
第2位
◆スカンジナビア航空、機内でのインターネット利用が可能に(10/11/17)
第3位
◆グアム政観、キャンペーンで年間365名をグアムに招待、テーマ別旅行で(10/11/16)
第4位
◆コロラド州、自然の魅力訴え−全日空へ直行便就航の働きかけも(10/11/18)
第5位
◆ニュージーランド首相がJTB田川社長に感謝状、日本向け追加予算も(10/11/15)
第6位
◆エクスペディア、ダイナミックパッケージ開始へ−IATA代理店の認可取得(10/11/18)
第7位
◆シンガポール航空、日本支社九州地区支配人にベルナルド・ジャン氏が就任(10/11/15)
第8位
◆外務省、パプアニューギニアの渡航情報を一部引き下げ(10/11/15)
第9位
◆シンガポール航空、1月から3月発券分の燃油サーチャージを同額で継続(10/11/18)
第10位
◆TAM航空、全日空との共同運航「出だし好調」−ブランド力でシェア拡大へ(10/11/17)
議論では、全体的に効果検証が不足しているとの指摘が多く聞かれました。これは、仕分けが“無駄な予算を削る”ための作業とすれば当然といえば当然です。しかし、そもそも政府の成長戦略として観光立国を掲げているなかで、当該事業の目標や目的が望むべきものと認められるのであれば、その目標なり目的の実現に向けて“予算が無駄にならない方法”を議論すべきではないのかと思います。
また、ビジット・ジャパン事業の議論で、ある仕分け人から「受け入れ先の環境整備を日本全国でやろうとするから金がかかる。外国人旅行者に人気の高い場所は限られているのだから、そこに選択と集中して…」といった趣旨の発言もありました。観光立国推進基本法を無視するような内容で、何をかいわんやですが、この程度の認識で仕分けられる方はたまったものではないでしょう。
ただ、一方で観光庁側の説明も、人によって説得力にバラつきがあったように思います。どのような場なのかは分かっていたわけですから、その意味ではもう少し準備ができた可能性もあります。また、こうした仕分けの結果や先述の仕分け人の発言は、「観光がいかに日本を潤すか」という基本認識を国民レベルで浸透できていないことの裏返しなのではないかとも思います。
とはいえ、概算要求全体が96兆円という中で、今回廃止と判定された3事業の要求額は合計9000万円。観光関係全体でも約38億2000万円です。政治については一般メディアを通して得た程度の情報しか持ち合わせておらず、何かを主張するべき立場にはありませんが、「観光立国はどうなった、他にもっと無駄があるんじゃないのか」と恨み言の一つも言いたくなる“ショー”でした。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年11月第3週:11月15日2時〜11月19日18時)
第1位
◆再仕分け、国内観光3事業廃止、訪日も減額・見送り−効果検証不十分と指摘(10/11/16)
第2位
◆スカンジナビア航空、機内でのインターネット利用が可能に(10/11/17)
第3位
◆グアム政観、キャンペーンで年間365名をグアムに招待、テーマ別旅行で(10/11/16)
第4位
◆コロラド州、自然の魅力訴え−全日空へ直行便就航の働きかけも(10/11/18)
第5位
◆ニュージーランド首相がJTB田川社長に感謝状、日本向け追加予算も(10/11/15)
第6位
◆エクスペディア、ダイナミックパッケージ開始へ−IATA代理店の認可取得(10/11/18)
第7位
◆シンガポール航空、日本支社九州地区支配人にベルナルド・ジャン氏が就任(10/11/15)
第8位
◆外務省、パプアニューギニアの渡航情報を一部引き下げ(10/11/15)
第9位
◆シンガポール航空、1月から3月発券分の燃油サーチャージを同額で継続(10/11/18)
第10位
◆TAM航空、全日空との共同運航「出だし好調」−ブランド力でシェア拡大へ(10/11/17)