DS模擬問題:エジプト編 古王国時代の繁栄を伝えるギザの三大ピラミッド

  • 2010年11月1日
問 ギザにある三大ピラミッドのうち、最大のピラミッドとその現在の高さの組み合わせで正しいものはどれか

A カフラー王のピラミッド/146メートル
B クフ王のピラミッド/137メートル
C クフ王のピラミッド/160メートル
D メンカウラー王のピラミッド/62メートル                             
                            
――正解は下記へ
                            
                            
                          
ココに注目!


▽クフ王のピラミッドは世界七不思議のひとつ

 エジプト観光の目玉といえば、ピラミッド。エジプトには、ギザからサッカラ、ダハシュールと、ナイル川に沿って70基を超える大小のピラミッドが残っており、「ピラミッド銀座」の様相を呈する。なかでもエジプトのランドマーク的存在となっているのが、ギザの三大ピラミッドだ。カイロ市内から車で約30分。街を抜けた先にこつ然と姿を現すこれらの巨大なピラミッドは、14世紀に入るまでは、世界で最も高い人工建造物だったと言われている。

 3つのうち最大かつ最古のものが、北端にあるクフ王のピラミッドだ。世界七不思議のうち、唯一現存する建造物で、一説には重さ2.5トンの石灰岩ブロック230万個以上が使われたとされている。このピラミッドの完成時の高さは、推定146メートル。現在は頂上部分が崩壊し、137メートルとなっているものの、4500年前に造られたこの建造物の巨大さには圧倒されるばかりだ。現在、外を登ることは禁止されているが、820年にイスラムのカリフ(総督)、アル・マムーンの掘ったトンネルから内部に入ることができ、狭い階段を進んだ先には、アスワン産の赤色花崗岩の石棺が収められたクフ王の玄室や通称「王妃の間」とよばれている部屋がある。

 次に大きなものが、クフ王の息子であるカフラー王のピラミッドである。台地の上に建てられていることから3つ並んだ中では最も大きく見えるが、実際はクフ王のピラミッドより4メートル低い。3つのピラミッドのうち唯一頂上部分に化粧岩が残されているのが特徴だ。北面にある2ヶ所の入口から続く2つの通路が内部で合流、水平の長い通路となって、花崗岩の石棺が収められた玄室まで導いてくれる。

 そして、南端にある最も小さいピラミッドがカフラー王の息子であるメンカウラー王のピラミッドだ。その高さは、祖父にあたるクフ王のものの半分以下で、その南側には王妃のためのピラミッドが3基並んでいる。


▽太陽の船から河岸神殿まで見どころ豊富なギザ

 ギザには、ピラミッド以外にも見どころが多い。まず、クフ王のピラミッドの南側には太陽の船博物館がある。この博物館に展示されている太陽の船は、来世の世界で太陽神「ラー」と永遠の旅をするために造られたといわれるレバノン杉製の木造船で、何百本もの木片をロープで結び造られた。長さ44メートル、幅6メートル、排水量推定45トン以上のこの巨大な船は、4500年前に建造され、クフ王を乗せてメンフィスからナイル川を下ったと考えられている。1954年に発見された際にはバラバラに分解されており、組み立てるのに10年の月日を要した。

 三大ピラミッドを守るように座しているのが、ライオンの身体に人間の頭という姿をした大スフィンクスの像だ。建造された当初は、鮮やかに彩色されていたといわれる。頭部は、カフラー王をかたどったという説もあるが、73.5メートルのこの巨大な彫像には謎が多く、いつ誰が造ったのかはいまだ解き明かされていない。

 ピラミッドや参道などと合わせ、葬祭施設の一部の役割を果たしていたとされるカフラー王の河岸神殿も必見だ。高さ13メートルのこの神殿では、ミイラの制作や死者が来世で話したり、食べたりできるようにする機能回復のための「口開け」の儀式が行われていたと考えられており、古王国時代のエジプトの宗教儀式を知る上で興味深い。


▽夜はスフィンクスのもとで音と光のショーを堪能

 夜は、大スフィンクスのもとで音と光のショーが行われている。スフィンクスが古代エジプトの歴史について人々に語るというコンセプトで、漆黒の闇の中、レーザー光線や音楽を駆使して繰り広げられるショーは幻想的だ。毎週、日本語によるショーも設定されているので、曜日を確認して訪れたい。なお、ギザでは大規模な博物館を新たに建設中で、門外不出であるツタンカーメンの黄金のマスクなども、ここに展示される予定である。








正解:B


写真提供:エジプト大使館エジプト学・観光局