アクセスランキング、CO・UA合併、NHのLCCなど航空系の関心事多く

  • 2010年9月11日
[総評] 今週のアクセスランキングは、コンチネンタル航空(CO)とユナイテッド航空(UA)の合併関連が1位に入ったほか、2位はシンガポール航空(SQ)の羽田戦略、3位にはアメリカン航空(AA)と日本航空(JL)の共同事業など、航空系の関心事が多くランクインしました。いずれも10月中に詳細が見えてくるはずで、「いよいよ」といった感があります。

 また、目新しいところでは、全日空(NH)がとうとう格安航空会社(LCC)の設立計画を発表しました。羽田空港への就航を準備するエア・アジアX(D7)など多くのLCCがアジア圏内で勢力を拡大し、日本でもジェットスター航空(JQ)やジェットスター・アジア航空(3K)、春秋航空(9C)、セブ・パシフィック(5J)などのLCCがすでに路線を開設しています。

 NHはこうした先行他社と競争することになりますが、課題は少なくありません。LCCはその名の通り「ローコスト」での運航が不可欠ですし、NHの本来の顧客を取り逃がすわけにもいきません。後者についてはNHとまったく別のブランドで展開するとのことですが、LCCにとっては「安かろう悪かろう」のイメージ払拭が絶対的に必要です。JQにとってのカンタス航空(QF)のように、NHのブランドイメージを活用しないでそれを実現するのは、そう簡単な話ではないでしょう。

 さらに根本的な部分で、LCCの定義が不明瞭になりつつあることも課題かもしれません。LCCといえば、追加的なサービスを有料販売し、座席はモノクラス、といった点が特徴とされていましたが、たとえばD7やJQは上級クラスの座席を持っていますし、機内サービスも航空会社によって有料の範囲が異なるようです。NHがどのようなサービス体系を選択するかは明らかになっていませんが、中途半端に色気を出そうとすればNHと顧客を奪い合いますし、非常に微妙なバランスが求められるでしょう。

 とはいえ、「日本のLCC」であることは間違いなくプラス要因になるはずです。日本に就航する海外LCCも、会社によっては日本人の需要取り込みに苦慮しているとの話を聞きますし、「これで本当に売る気があるのか」というウェブサイトもあります。その意味では、ローコスト運航に加えて、QFグループのJQのようにブランドを活用しつつLCCとしてのイメージを確立することがカギになるように思います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年9月第2週:9月6日2時〜9月10日18時)
第1位
CO、UAとの合併でビジネス拡大に期待−太平洋路線の新型シート導入も完了(10/09/09)

第2位
シンガポール航空、羽田と成田の組み合わせも可能−往復で別クラスの利用も(10/09/09)

第3位
アメリカン航空が人事異動、JLとの共同事業視野に一部機能を東京に移管(10/09/09)

第4位
全日空、LCC事業開始へ−運賃は大手の半額以下、11年度下期運航開始予定(10/09/10)

第5位
スカイマーク、中部空港に就航へ−羽田、札幌、茨城に計1日4往復(10/09/07)

第6位
全日空、国際線の成長鮮明、7月の旅客数は2割増−日本航空は1割減に(10/09/08)

第7位
JTBWV、羽田商品販売拡大へ地域別の販促が鍵−パンフ造成に課題も(10/09/06)

第8位
台湾観光協会、東京ガールズコレクションに参加、F1層に魅力アピール(10/09/08)

第9位
世界の海外旅行者数、上半期7%増の4.2億人−アジアが急回復、日本も寄与(10/09/07)

第10位
ハウステンボス、4月から6月期の経常利益は1.7億円の黒字−夏も好調(10/09/06)