サービス連合、35歳年収550万実現に向けた指標を策定−2010年春闘は長期化

  • 2010年7月26日
 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(連合)は「35歳年収550万円」の賃金目標の実現に向けて、加盟組合の取り組みのための指標を策定する。2010年の賃金実態調査をもとに指標を作成し、2011年の春闘から取り組めるよう具体的指標を提示する計画だ。先ごろ開催された第10回定期大会で決定したもので、第9回定期大会で採択した運動方針の補強として実施する。

 同連合では加盟組合に対し賃金実態調査を実施しており、今後得たデータをもとに年収水準の違いに応じた6つにランク分けし、ランク内に複数の目標値を設ける計画だ。その上で、目標値を具体的にめざすための指標を設定する。各加盟組合は指標を参考に、賃金実態に適した目標を具体的に設定し、賃金水準の改善をめざし取り組む。取り組み期間の目安は目標感の持てる3年から5年以内とした。

 また、ポイント年齢別最低保証賃金について、ホテル・レジャー業と観光・航空貨物業で統一し、2011年の春闘から設定して賃金水準の底上げと格差是正に取り組んでいく。18歳、20歳、22歳のポイントは加盟組合の制度から、26歳以降のポイントは産業実態から導き出す。契約社員の実態把握を実施した上で、勤続年数を加味した設定も検討するという。

 2009年度から2年間で組合員5万人の実現をめざす組織拡大については、厳しい雇用情勢を反映した結果、2009年度は9組織809名と目標の16%にとどまった。2010年度は引き続き企業・関連組織を柱に組織の拡大をはかり、未組織、未加盟組合の加盟にむけた取り組みを強化していく。

 なお、2010年の春闘では、厳しい経済状況ふまえ、安定的な雇用の確保を前提に賃金カーブの維持と0.5%の実質賃金改善を要求。企業の業績の悪化や先行きの不透明感から交渉は長期化したが、結果として多くの加盟組合で賃金の維持を確保できた。6月1日現在で集計できた合意28組合の賃金改善加重平均は5284円(1.66%)となり、厳しい状況下で一定の成果を得たと評価した。

 夏期一時金については、33組合で1.29ヶ月となり、昨年の1.68ヶ月、48組合から下回った。年間の要求に対して夏期一時金のみの回答となった企業も多く、厳しい結果となった。