アジア太平洋地域、最大の航空市場に−IATA調査、13年までに年間8.6億人か

  • 2010年2月2日
 国際航空運送協会(IATA)によると、2009年のアジア太平洋地域内の旅客数が前年比6億4700万人となり、北米を上回って世界最大の航空旅客市場になった。北米は6億3800万人だった。IATAでは2013年までにアジア太平洋地域の年間旅客数が8億6400万人にまで拡大すると予想。また、航空業界全体で2010年の損失が6億米ドルとなり、2009年と比べて54億米ドル改善する見込みであるのに対し、アジア太平洋地域の航空会社は2009年の34億米ドルから2010年には7億米ドルに改善する予想されるという。

 特に成長が大きい市場はインドと中国。中国はすでに日本市場の規模を遥かに超えており、航空機の数は中国が1400機であるのに対し日本は540機、国内線の座席数も中国が日本の倍以上の数値になっているという。国際線座席数は週間140万席で、現在のところ日本の130万席をわずかに上回る程度だ。

 今後の潜在需要の大きさとして、米国では3億人の人口に対して1人あたり年間3席が供給されているのに対し、中国は13億人に1人あたり0.3席、インドでは11億人に0.1席。IATA事務総長兼CEOのジョバーニ・ビジニャーニ氏は「仮にこれらの市場を含むアジア人が米国人と同程度に旅行するようになれば、世界の航空旅客市場は現在の3倍の規模になる」と指摘している。

 一方、ビジニャーニ氏は「この大きな潜在需要を勝ち得るためには、長期的には『環境』『保安』『自由化』への対応が不可欠になる」とも指摘している。