カナダ観光局、業界中心に市場拡大を−2010年は30万人めざす

カナダへの日本人訪問者数は1996年のピーク時に約65万人を数えたものの2009年は約20万人の見込みだ。このほどプロモーション発表会で掲げた30万人という目標数値について、CTC日本地区代表のアンソニー・リッピンゲール氏は、「実現可能な数字だ」と話し、その理由としてバンクーバー冬季オリンピック開催によるメディア露出の増加と市場の認知度の浸透などのほか、業界内では2009年秋にビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の重点デスティネーション認定を受けたことによる商品化促進の強化、エアカナダ(AC)の3月からの成田/カルガリー線就航による座席数の増加、円高や日本市場の内需が拡大傾向にあることなどを挙げている。
今後の施策としては旅行業界へのセールス・アプローチを第一に掲げ、セミナーや研修を開催するほか、販売担当者や企画担当者向けにカナダ・スペシャリスト・プログラム(CSP)を無料で実施。またバンクーバーやカナディアンロッキー、トロントとナイアガラの滝や秋のメープル街道など定番商品の内容充実をはかりつつ、一般消費者に対しウェブサイトなどを通じてテーマ別やFITを喚起していく。
▽カナダ側へも日本市場をアピール
またVWC重点デスティネーションとしての活動の一環としてCTCおよびVWCは「チーム・カナダ」を発足。旅行業界内では旅行会社、航空会社など日本の業界関係者からなるカナダ・アドバイサリー・グループを立ち上げ、カナダ販売に向けての販促や需要喚起の対策を検討していくほか、CTCおよび在日州政府観光局関係者は販促ツールの作成やモデルプラン作成など業界への支援をはかる。さらにカナダ側でもCTC副社長のチャールズ・マッキー氏やムスコカ・ランゲージ・インターナショナル(MLI)社長のマイク・ルビー氏など現地観光局や関係機関による「カナダ運営委員会」を組織し、カナダ旅行業界に対し日本市場の重要性を訴えていく。カナダ運営委員会のメンバーとして今回来日したルビー氏はカナダ市場低迷を「マスツーリズムの流れのまま販売を行い、カナダ素材の多様性のPRや消費者との対話が不足していた」と分析したうえで「日加両業界が長年築いてきた信頼関係のもと、互いに協力して2010年の目標を達成したい」と話した。