DS模擬問題:ベトナム ローカルグルメを楽しむコツ

  • 2009年11月16日
問 以下の料理名のうち、ベトナム版チキンライスの名前はどれか

A バイン・セオ
B カイン・チュア
C チャー・トム
D コム・ガー


ココに注目!





▽中国とフランスの影響が残る食文化

 日本でもすっかりお馴染みになったベトナム料理だが、古くは中国、そして植民地時代にはフランスの食文化の影響を受け、独特の発展を遂げてきた。辛いイメージの強いエスニック料理のなかでも、素材の味を生かし、たっぷりの野菜を添えて、つけダレで食べるスタイルのベトナム料理はヘルシーなイメージが強く、日本人の口にあうメニューも多い。稲作が盛んなベトナムは日本同様にお米が主食。米粉を原料にしたライスペーパーやライスヌードルがよく使われるのも、日本人に親しみやすい理由のひとつといえるだろう。

 ベトナム料理の定番メニューともいえるのが、ライスペーパーを使った生春巻きで、ゆでたエビをもやしやニラなどの生野菜、ビーフンとともにライスペーパーで巻いたゴイ・クオンは特に有名。米粉をココナツミルクで溶いた生地にもやしや豚肉、エビなどを乗せてパリパリに焼き上げるベトナム版お好み焼きのバイン・セオや、ミンチしたエビのすり身をサトウキビに巻きつけて焼いたチャー・トムもよく知られた人気メニューといえる。こうした料理に添えられているのが、ミントやバジル、コリアンダー、ドクダミやロットの葉などの香草類。これらに、料理には欠かせない調味料ニョックマムをベースに、赤唐辛子や砂糖などを加えた甘辛いタレとともに味わうのが一般的だ。

 また、中国の海南島が発祥といわれる、鶏のダシ汁で炊いたご飯に蒸し鶏かローストチキンを乗せたチキンライスは、ベトナムではコム・ガーと呼ばれており、看板メニューにしているレストランもあるほど人気の一品。このほか、フランスパンにベトナム風ソーセージや生野菜、香草をサンドし、ニョックマムを振りかけて食べるバゲットサンドのバイン・ミーや、ベトナム風カスタードプリンのバイン・フランなど、フランスの食文化に由来する庶民の味に触れられるのもベトナムならではの楽しみだ。


▽地方ごとに違った味付けが特徴


 南北に細長い国土を持つベトナムでは、ホーチミンシティを中心とした南部、古都フエがある中部、そして首都ハノイの北部と、各地方で独自の名物料理や味付けの違いを楽しむこともできる。南部の代表的なスープ料理であるカイン・チュアは、タマリンドの酸味を利かせた甘酸っぱい味付けで知られ、魚やパイナップル、トマトなどたっぷりの野菜が入っている。具として使われる魚でポピュラーなのが雷魚(カー・ロック)で、雷魚を使ったスープのカイン・チュア・カー・ロックや、雷魚の煮付けのカー・ロック・コー・トは定番メニューだ。また、メコンデルタ地域の名物となっているのが、その外観から象耳魚と呼ばれる魚を使った料理で、丸揚げにした魚をほぐして生野菜や香草とともにライスペーパーに包んで食べるカータイ・トゥーンが知られている。

 中部では唐辛子を使った辛い味付けが有名。米粉を使った麺類には、平打ち麺のフォー以外にも断面が丸い麺のブンがあるが、庶民の味として人気なのがブンを使ったフエ風牛肉麺のブン・ボー・フエで、レモングラスや赤唐辛子がきいたピリ辛のスープがアクセントとなっている。また、米粉を蒸したものにエビそぼろなどをトッピングして食べるバイン・ベオは、プルプルの食感が楽しめる一品で辛めのタレをつけていただく。

 一方、甘みが少なく塩やしょうゆがベースの比較的さっぱりした味付けとなっているのが北部料理の特徴。フォーなどの麺類も本場はハノイといわれており、牛肉のフォー(フォー・ボー)や、鶏肉のフォー(フォー・ガイ)など、日本でもよく知られるスープ入りのフォーは、朝食の定番メニューとしてよく食べられている。ハノイにある西湖の名物となっているのが、湖で捕れるエビを使った天ぷらのバイン・トムだ。海岸線の長いベトナムでは各地でシーフードが食べられるが、ハロン湾クルーズの名物ともなっているのが、船上で調理して食べるシーフードの数々で、蒸したてのエビやシャコなどを風景とともに満喫できる。




正解 D