KNT、第3四半期は純損失95.5億円−9月大型連休は国内外ともに好調

  • 2009年11月11日
 近畿日本ツーリスト(KNT)の2009年12月期第3四半期決算(2009年1月1日〜9月30日)は、営業収益が前年比13.7%減の455億800万円、営業損失が55億3400万円(前年:61億1100万円の損失)、経常損失は52億7100万円(同:59億円の損失)、四半期純損失は95億5400万円(同:61億9400万円の損失)となった。

 KNTによると、燃油サーチャージ廃止の影響などもあり海外、国内ともに9月の大型連休は需要が集中し好調だったが、新型インフルエンザの発生により7月の出足が遅れ全体的にみると旅行需要は低迷した。7月から9月までの海外旅行の取扱人員はホリデイだけで8%増となっており、前年の反動もあるが中国やアジア、台湾が好調だった。また夏の傾向として、取扱人員は好調なものの燃油サーチャージ額が廃止、値下げしているため取扱額は減少している。

 一方、国内旅行も全体的には振るわなかったものの、7月の皆既日食ツアーで鹿児島県十島村と業務委託協定を締結し、商品造成だけでなく現地受入の対策業務や運営などに取り組んだところ、集客も好調であったという。KNTでは、実績だけでなく、こうした自治体からの業務受託の取組みが成功したことにも成果を見出しているという。このほか、インバウンドは円高の影響で前年に比べて厳しい状況だという。

 なお、10月に実施した希望退職者募集では転身支援金などの支出で約7億円を特別損失に計上しているが、来年度からは年間12億円ほどの費用削減効果を見込んでいる。なお、通期の連結業績予想に変更はない。