TPC、大手寡占への対抗を強調−バイヤー主導に転換へ、規模拡大にも手応え

  • 2009年9月9日
 トラベル・パーツ・センター(TPC)代表取締役社長でクロノス・インターナショナル代表取締役社長の小林正人氏は9月8日、下期商品発表会で挨拶に立ち、国際航空運送協会日本事務所(IATA-Japan)の債務保証制度など大手の寡占が進むことに懸念を示し、中小の旅行会社が力を結集して対抗する必要性を訴えた。また、ゼロコミッションなども含めて「流れが急激に変わり、(民主党政権の誕生など)国も変わる中で、我々も変わらなければ」と説明。これを受け、TPCサプライヤー委員長でユニオンエアーサービス専務取締役の川野芳樹氏も「サプライヤーではなくバイヤー主導の体制を構築することこそTPCの拡大と活性化につながる」と強調した。

 「バイヤー主導」への転換の第1歩として、商品発表会ではバイヤー側の意見に対してサプライヤーや事務局が回答する時間をとった。この場で、バイヤー側からは「以前と比べて活動が目立たなくなった」「WEBタリフが使いにくい」「地方発着が少ない」「価格で大手に負けている」といった厳しい意見が寄せられ、これに対してTPC側からは、改善に向けて取り組む方針が示された。ただし、WEBタリフは会場からの不満の声もひときわ大きかったものの、現状では予算面から改善は困難という。川野氏は、「TPCは利益団体ではなく、大きな予算を確保できない」としつつ、重要課題と位置づけて改良に取り組みたい考えを示した。

 このほか、取り扱い航空会社の充実や、運営体制に多様な意見を反映する必要性も指摘され、それぞれ取り組む方針を説明。例えば、取り扱い航空会社の充実では、このほどサプライヤー会員としてリバティツアーを展開するワールドストリームが加わったことで一歩前進しており、さらなる増加をめざす。

 なお、会員数の増加について川野氏は、「今年に入ったころから入会の問い合わせが増えてきている。入会基準があるため一度に増えるわけではないが、拡大への手応えはある」と語った。