日本旅行、中間期は赤字拡大、通期予想も取り下げ−選択と集中進め営業強化

  • 2009年8月27日
 日本旅行の2009年12月期中間期(2009年1月1日〜6月30日)の連結業績で、純損益が25億5400万円の赤字(前年、以降カッコ内は同じ:16億1700万円の赤字)となった。経済危機と新型インフルエンザの影響で、海外、国内、インバウンドともに大きな打撃を受けた。連結の営業収益は前年比20.0%減の221億1100万円となり、営業損益は42億2600万円の赤字(26億6700万円の赤字)、経常損益は38億5300万円の赤字(22億3500万円の赤字)となった。通期予想は当初、営業収益610億円、経常利益13億9000万円、純利益5億3000万円を設定していたが、下半期も厳しい状況が続くとの見通しから取り下げ、公表しないこととした。

 海外旅行では、販売高が35.2%減の438億600万円、営業収益が32.1%減の51億900万円と大きく減少。企画商品では、燃油サーチャージの値下げや円高傾向を反映し、企画商品を値ごろ感のある代金に設定したものの、販売高で17.5%減の249億300万円となった。また、団体旅行は販売高が38.8%減の74億6300万円とダメージがさらに大きくなった。期間中に「きっと見つかる!台湾」キャンペーンなど集中販売の取り組みを強化したものの、新型インフルエンザによるキャンセル、延期が相次いだ。

 国内旅行、インバウンドも前年割れしており、国内は販売高が15.5%減の1143億3000万円、営業収益が13.7%減の127億7000万円となった。企画旅行の販売高は7.0%減の372億9000万円、団体旅行の販売高が14.5%減の1143億3000万円となり、海外旅行と同様、団体の落ち込みが激しかった。また、インバウンドは販売高が18.0%減の32億4300万円、営業収益が5.3%減の5億1800万円となった。


▽下半期も「選択と集中」を継続、需要動向に合わせて商品投入

 下半期に向けては、年初に掲げた「選択と集中」を継続。需要の動向に合わせて商品を投入することで効果的に営業を展開する方針だ。海外旅行関連では、上半期の厳しい環境の中で営業収益8%増の結果を残したオンライン販売を促進。上半期の好調さは、海外旅行のオンライン販売システムを刷新したことも一因で、新システムにより掲載商品数が増加。さらに複雑な商品も販売可能になっていることから、下半期も継続的に強化する。パッケージ商品も、燃油サーチャージが復活するものの前年と比較して割安を打ち出し、需要を取り込む。

 また、団体旅行についても、7月に首都圏の法人営業強化を目的に組織を再編しており、これを活用。不況の影響を受けにくい官庁や組織・団体など、ターゲットを絞って営業を進める。このほか、国内でも、強みであるJR利用商品の販売強化を継続する方針だ。


▽関連記事
日本旅行、首都圏の法人営業強化−組織再編で10年12月期取扱高200億円へ(2009/07/02)

日本旅行、本社直轄のMICE専門部署を立上げ−09年販売目標は270億円(2009/03/10)

日旅、ネット販売を強化−サイト大幅刷新で09年は38%増ねらう(2009/03/09)