スイス・インターナショナル・エアラインズ、08年の実績好調−4月から新シート

  • 2009年4月17日
 スイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)は4月15日に記者懇談会を開催し、LXネットワーク&セールス担当上級副社長のハリー・フォーマイスター氏らが2008年の実績や今後の戦略を説明した。フォーマイスター氏は、2008年は旅客数が前年比10.3%増となるなど「非常に成功した1年」であったと語り、2009年も厳しい環境の中で好調さを維持できるよう施策を展開すると強調した。

 2008年は、旅客数が10.3%増の1346万6724人と大きく増加。運航便数を6.4%増の13万4401便、キャパシティをあらわす有効座席キロ(ASK)を12.0%増と拡大したものの、需要をあらわす有償旅客キロ(RPK)が12.1%増となり、ロードファクターも0.1ポイント増の80.3%となった。コストやキャパシティの管理が奏功し、利益率も9.6%となった。このほか日本路線は、日本支社長の岡部昇氏によると「1年間を通じてほぼ満席」の状態。エーデルワイス航空(WK)のチャーター便も2009年は16本設定しているが、こちらも全席完売しているという。

 2009年は、機材投資や路線の拡充、コスト削減、キャパシティマネージメントの強化などを推進する。例えば、キャパシティの調整は、これまで6週間から8週間に1度実施してきていたが、今後は1週間から2週間に切り替える。新路線としては、リヨンとオスロへの運航を予定する。また、4月20日から運航を開始する新しいエアバスA330-300型機では、ファーストクラスからエコノミークラスまで新しいコンセプトのシートを導入。ビジネスクラスのシートは180度水平になり、エア・クッションでシートの硬さを調整する機能などを盛り込んでおり、2009年末から2010年初めにかけて日本路線のA340型機にも導入する。

 なお、中長期的な見通しとして、2010年の首都圏空港の発着枠拡大への対応は、現在調査中という。両国政府間で経済連携協定(EPA)が実現したことから、今後旅客、貨物ともに需要が増加すると予測しており、中長期的には増便の可能性もあると示唆した。また、コミッション廃止の流れについては、「直販比率は現在10%に満たない。旅行会社なしでは考えられない」(岡部氏)と維持する方針だ。