北欧デザインを巡る旅(2)デンマーク、生活に溶け込んだデザインに触れる

  • 2009年2月17日
 「アーネ・ヤコブセン」や「フィン・ユール」などのインテリアデザイナーや、王室御用達の陶磁器ブランド「ロイヤル・コペンハーゲン」などを生んだデンマークは、北欧屈指のデザイン大国。なかでも首都コペンハーゲンは、北欧デザインの宝庫だ。

 街のカフェやホテルに入れば、センスのいいデザインのインテリアが何気なく配置され、街を歩けば建物だけでなく、橋や公共の構造物まですぐれたデザインのものが多数あり、良質のデザインが人々の生活に馴染んでいることを実感する。




 コペンハーゲンの中心であるストロイエ通りのほど近くに、「ヤコブセン・デザイン」のセブンチェアでくつろげる「カフェ・ステリング」がある。このカフェは、ビル自体から内装までヤコブセンが手掛けた、とっておきのスポット。地元の人々にも人気があり、日常生活の場を垣間見ながら、北欧の街に溶け込んだインテリアに直に触れることができる。

 多くの北欧デザインのブランドが軒を連ねるこのストロイエ通りは、ショッピングを楽しむにもちょうどいい。中でも「ロイヤル・コペンハーゲン」の本店では、職人の手で一枚一枚描かれた味わい深い絵柄の磁器が一堂にそろい、現地でしか手に入らない品々をじっくり見ることができる。また職人の絵付け見学では、予約をすれば皿への絵付けをすることができるなど、現地だからこそ味わえる体験も旅行者にとっては魅力的なはずだ。

 有名ブランドでなくても、コペンハーゲンでは雑貨や陶磁器のショップに工房が併設されているものも少なくない。街歩きをしながらショップに立ち寄れば、実際の作り手であるデザイナーが店員として接客していたり、声をかければ工房を見せてくれたりすることもある。

 「街歩きをしながら各地の蚤の市を巡り、珍しいものや絶版品を探したいという旅行者も多い。アンティークショップの並ぶ骨董通りでは、蚤の市の開かれない冬場でもアンティークショップがオープンしているので、一年を通してアンティークのショッピングも楽しむことができる」と話すのはスカンジナビア政府観光局の高橋成美氏。

 また著名なデザイナー・建築家であるアーネ・ヤコブセンが手掛けた国立銀行やホテルなど、街歩きをしながら楽しめる素材が多い。北欧デザイン好きの旅行者にとって見どころの豊富なコペンハーゲンは、ゆっくりと時間をとって滞在したい街である。


関連サイト
▽スカンジナビア政府観光局
http://www.visitscandinavia.or.jp/


▽ロイヤル・コペンハーゲン
http://www.royalcopenhagen.com/


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