為替レートで考える、タックス・リファンドの得する受け取り方法は

  • 2009年2月13日
 グローバル・リファンドのカスタマー・サポート・デスクで、比較的頻繁に問い合わせを受けるのが「為替レート」についてです。その中でも多いのは(1)リファンドの受け取りで得する方法や場所について、(2)リファンドをクレジットカード引落し口座へ振り込む場合の為替レートについて。そして免税サービスと直接的に関係はありませんが(3)どこで外貨を購入するのが一番得か、といった質問もあります。為替レートは海外旅行をする際に誰もが必ず一度は頭を悩ます課題です。そこで今回は旅行者が少しでも為替メリットのある方法を選択できるヒントとして、できるだけ分かりやすく案内しましょう。


得するリファンドの受け取り方法は

 変動リスクを考慮すると、ひとくちに明言するのは難しいのが本当のところです。もし、受け取ったリファンドをその場ですぐ使ってしまうのであれば、海外の空港で税関スタンプを受けた後、すぐにその場で購入した国の通貨で受け取ることが、最も為替差損の少ない方法です。グローバル・リファンドでは通常、リファンドを申請した国の通貨で現金払いしています。従って、ユーロ通貨で発行された書類はユーロ通貨の国で手続きすると為替差損がないことになります。例えば、ユーロ通貨で発行された書類をコペンハーゲンの空港にあるカウンターで申請すると、リファンドはユーロからクローナに換算して支払われます。そのため、ここで為替差損が発生します。現金でのリファンドを選択する場合、最終的にどの通貨で受け取りたいかを考慮して申請する場所を決めるとよいでしょう。ただし、パリ、ヒースロー、チューリッヒ、ジュネーブ空港内のカウンターでは、書類1枚に対し3ユーロ相当の手数料がかかるので、こちらも考慮する必要があります。

 日本円でリファンドを受け取りたい場合は、帰国時に成田空港または関西空港のカウンターで手続きするのがよいでしょう。これらのカウンターは、外貨から日本円に両替する時に適用される円買いレートが、ヨーロッパより高いのです。


どこで両替するのが得か? 空港内のレートは高い、高くない?

 日々レートが変動するので難しいのですが、過去にミラノ、フランクフルト、パリ、ロンドン、ジュネーブ空港内の大手両替所のレートと比較した際には日本のレートの方がよかった事例があります。だたし、やはり旅行前にインターネットなどを利用して調べることをおすすめします。特に海外では、レートに含まれていない手数料が課されるところが多いです。またこの手数料はレートが掲示されているボードには案内がなく、通常の場合カウンター窓口に小さく英語で表記されているだけです。手数料は会社によって異なり、両替する金額にかかわらず定額であったり、定率であったりもします。日本国内の両替所の場合、為替レートにすでに為替手数料が含まれていることもあります。

 ちなみに、海外旅行者の多くがまだ、空港内の両替所のレートは「高い」と考えていらっしゃるようです。銀行ごとにレートは異なっていても、大手都市銀行では同銀行内で統一したレートを適用しています。両替所も多くあるので、空港内の両替所を利用するのが便利ではないでしょうか。


リファンドをカード引き落とし口座へ振り込む際の為替レート

 リファンドをクレジットカード引き落とし口座へ振り込む際の為替レートに対する質問が多い理由は、購入時に適用される為替レートとの違いがあるからです。リファンドの手続きは書類を受理してから5週間以内に完了しますが、カード会社の締め日のタイミングによってさらに数週間要することもあり、カード明細書にマイナスとして(払戻のため)記載されて利用者の手元に届くまで、申請してから2ヶ月程かかる場合もあります。また、カード明細書には海外旅行中の利用額も同時に表記されている場合があり、この時に利用額とリファンドのそれぞれに適用されたレートを比較し、驚いて問い合わせるケースが多いのです。

 グローバル・リファンドでは、商品を購入した国の通貨を日本円に換算して、クレジットカード会社に引き落とし口座への振込みを依頼します。この時に適用するのがグローバル・リファンドの社内レートです。これはグローバル・リファンドが契約しているスウェーデン金融機関における円レートに為替手数料が含まれた金額で、一般的にはクレジットカード会社が適用しているレートより高くなります。そのため、リファンド額が少なく感じられるようです。

 また、ショッピングに適用されるレートは売りレートであり、リファンド分に適用されるレートは買いレート。その差は金融機関によっても異なりますが、現金での両替レートでは同日であっても約8円から12円くらい異なります。リファンドの場合は、手続きが約5週間後になるので、その日のレートが購入した時期のレートと比較して下落している場合は、さらにレートの差が大きくなります。この期間にレートが上がればお得感は倍増しますが、いずれもレート変動のリスクを避けることはできません。

 ちなみに、国内のカウンターでリファンドを支払う際には、グローバル・リファンドの場合、メインバンクである三井住友銀行の買いレートを適用しています。ささいな情報も海外旅行をちょっと「お得」にする貴重な情報です。

執筆:赤坂晋美(グローバル・リファンド・ジャパン株式会社 代表取締役)
http://www.globalrefund.com/

経歴:
旅行会社やホテルなど、旅行業界に長年従事した経験を活
かし、さまざまな企業や団体、学校などで旅行業界、ホテ
ルビジネス、ビジネストラベルマネージメント関係や、米
国と日本で働いた経験から働く女性向けのセミナーの講師、
ゲストスピーカー、パネリストとして幅広く活躍。旅行者
が諸外国で支払った付加価値税の払戻サービスを提供する
グローバル・リファンド・ジャパン株式会社の代表取締役
を務める海外ショッピングの税のプロ。