カナダ、日加修好80周年記念プログラム設定、教育旅行などでの利用も提案

  • 2009年2月9日
 カナダ政府は今年、日加修好80周年記念として教育支援プログラムを設定、両国間の架け橋となる人材育成をめざす。プログラムでは「若者と斬新な創造性」をテーマに、若者に向けた教育に主眼をおく。目玉となるのは80名に給付される「カナダ留学を補助する80周年記念留学奨励金8万円」。2週間以上のカナダ留学を希望する日本在住の日本人が対象で、年齢制限はない。広報部長のクリスティーン・ナカムラ氏は「現在の厳しい経済状況のなか、一人でも多くの若者にカナダで学ぶチャンスを与えることを目的とし、支援した若者が将来的にカナダと日本を結ぶ架け橋となる活動をしてくれれば」と期待をよせる。

 このほか、国内80校に大使館員を派遣し、カナダの歴史や日本との関係などの講義をする「出張授業」、東京にやってくる80校の修学旅行生を招いてのカナダ大使館内公共施設のガイドツアーも実施。また、カナダの学校との提携を望む学校への情報提供や要望にあうような学校の紹介などのサポート、カナダ留学経験者などにその経験を語ってもらう留学サポーターの任命など、年を通じてプログラムを展開していく。プログラムには一般企業のほか、カナダ観光局も協賛しており、ウェブサイトなどで記念プログラムの告知をはかる予定。航空会社などとも協力し、留学希望者の金銭的な負担をサポートしたい考えだ。

 カナダ大使館教育プロモーション担当官の金尾紀久枝氏は「ビザの発行数でいえば10%ほどの減少があったものの、留学フェアへの参加者数は依然減っていない。マーケット自体は縮小傾向にあるが、留学(渡航)志望者が減っているわけではない」とし、支援プログラムがそうした人々の後押しになることを望む。また、ナカムラ氏も「この『80周年記念』というキーワードを利用して、教育旅行企画などにもぜひ役立てていただきたい」といい、大使館では情報提供など積極的に協力していく構えだ。

 なお、会見には親善大使である、カナダ人と日本人で構成される人気バンド「Monkey Majik」も応援に駆けつけた。駐日カナダ大使のジョナサン・フリード氏は「彼らはまさに日加修好の象徴的な存在」と語った。