「世界の高速鉄道」(1)−フランス・TGV

地球温暖化の問題が喧しい昨今、環境への負荷が少ない乗り物として鉄道が以前にも増して注目されており、なかでも高速鉄道の役割はますます重要になっている。今週は、日本と並び高速鉄道開発で世界の最先端を走るヨーロッパを中心に、世界の高速列車の状況を見ていこう。第1回目は、フランスのTGVを取り上げる。

リヨンからさらに南へむかう、TGV地中海線が2001年に開通。パリからマルセイユは約3時間20分、ニースへは5時間半で移動が可能となり、こちらも旅行のパターンが大きく変わった。とくにフランスのリピーターで、パリ以外のエリアに行きたい場合、シャルル・ドゴール空港駅へ乗り入れているTGVを利用し、空港から直接マルセイユやニースへ行くことができる。

TGVのネットワークはフランス国内に限らない。北ヨーロッパ線はブリュッセルへ1時間22分、南東線はスイスのジュネーブへ約3時間、ベルンへは約4時間半。東ヨーロッパ線は、スイスのバーゼルやチューリッヒ、ドイツのフランクフルトやミュンヘンなどへ延伸する。最近は、パリからスイスの有名なスキーリゾート、ツェルマットの手前の町ブリークや、フランス随一のスキーリゾート、シャモニーの手前のラファイエットまで運転しており(週末のみ)、スキー客に好評を博している。
西ヨーロッパのほぼ真ん中に位置するパリを起点にすれば、フランス国内だけでなく、隣国を含め、様々な移動パターンが考えられる。上手に応用すれば、効率のいい多様なスタイルの旅が創造できるだろう。

■TGV公式サイト
http://www.tgv.com/EN/index_HD.html(英語)
■フランス国鉄
http://www.sncf.com/en_EN/flash/
■レイルヨーロッパのTGVページ
http://japan.raileurope.com/japan/rail/tgv/index.htm