日旅・丸尾社長、欧州専門店は「逆風でも前進可能」−需要の多様化に正対

  • 2008年11月12日
 日本旅行は11月11日、同社初のヨーロッパ方面パッケージツアーを専門に取り扱うコンサルティング型店舗「ヨーロッパプラザ」を新宿支店内に開設した。代表取締役社長の丸尾和明氏は開設式典で、「日本旅行にとってヨーロッパは年間約10万人を送客する重要なデスティネーションで、新宿支店でも海外旅行のうち約7割はヨーロッパが占める」と説明。その上で、「景気後退の中でのヨーロッパ専門店開設に疑問の声もあるかもしれないが、逆風の中でもヨットが前に進めるのと同様、日本旅行が一体となり、ヨーロッパプラザを中心に帆を張り、舵を操って着実に前進したい」と意気込みを語った。

 丸尾氏は、ヨーロッパ方面への旅行について、「旅行目的の多様化」とデスティネーションとしての「範囲の拡大」、学生旅行やOLのグループ旅行、熟年夫婦、熟年グループ、母娘など「参加形態の多様化」の3つの大きな変化が進んでいると指摘。これに対して、「パッケージ商品の多様化で対応してきたが、専門的にご案内できる店舗はなかった」とし、新店舗では「常駐する添乗員によるコンサルティング」、「添乗員と10名程度の参加者による双方向の説明会」、「航空会社や政府観光局、ランドオペレーターと共同での情報発信の強化」に取り組む方針を示した。オープニング企画では、スペインを取り上げる。

 新宿支店ヨーロッパプラザのスタッフは、添乗員のほか、企画とカウンター販売のベテランを揃え、15名でスタートする。今後のコンサルティング型店舗の展開計画は未定で、まずは新宿支店ヨーロッパプラザに取り組み、接客を通して得られた消費者の声を商品に反映することで、「良い循環」を作りたい考え。その他の支店については、「地域やその支店の規模などに合わせていろいろなやり方があるため、これから考えていく」という。

 なお、開設式典には欧州系の航空会社や政府観光局など関係者が多数集まり、期待の高さを示していた。


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