KNT、ロタ島チャーター便を運航開始−越智氏「旅行会社のやるべき仕事」

KNT専務取締役の越智良典氏は「ロタ島への日本人訪問者は年間3000名。サイパンは20万人が訪れるが、減便で厳しい。ロタ島へはグアム、サイパンに1泊しないと訪れることができず、今回のチャーター便はデスティネーション開発を含め、旅行会社としてやるべき仕事」と語り、今回のチャーター便利用商品の重要性を語った。KNTによると、今回のチャーター便は約1年半以上の準備を経て、実現にこぎつけたという。2006年末にはロタリゾート&カントリークラブがコンチネンタル・コネクションのグアム/ロタ/サイパン線を買い取ることでアクセスを確保するなど、厳しい局面が続いていたところ。チャーター便の就航を前に、ロタ島の滑走路が延伸され、中型機の離着陸も可能となったという。越智氏は「大自然が残り、ゆっくりと過ごすに適した場所。これからマリアナ政府観光局、コンチネンタル航空、島の人たち、州政府の協力をえながら、良い観光の方法を探っていきたい」とも語り、今後も需要を創造するチャーター便を活用し、環境、現地、訪問者の満足につながるデスティネーションの発展に意欲を示した。

販売面では、夏のチャーター便商品を店頭にパンフレットが並ぶことで、オーガナイザーからの申し出、セールスにも弾みがつくと見ている。GWの商品販売でも、グループの申込みがあり、全国の支店、事業部と協同で販売する。KNTは上期から、パッケージ商品を活用した団体セールスの強化も進めており、ロタ商品はグループ販売との親和性も高いと見ているようだ。
▽KNTチャーター便設定は「定期便の需要は食いあうことない」
越智氏はチャーター便の設定の基本方針として、「オフ、ダイレクト、ピーク」の3つのポイントをあげ、「定期便(の需要)を食いあうことは意味がない」との考えを表明した。KNTは昨年から、エーデルワイス航空を利用した地方発のスイスチャーター商品を展開しており、昨年は7本を実施したが、今期は6空港9本を実施。チャーター便利用の商品では昨年実績の3万4000人に対し、今年は3万8000人を目標としているが、KNTとしてはスイスと、今回のロタを起爆剤に需要喚起型のチャーター便としていく考え。その他は日本航空のアラスカ、秋には中部、九州地域からカナダへの商品設定など、ブロックでの対応を予定している。
こうした展開の中、具体的な事案には言及しなかったものの、「スイスへのチャーター便をはじめ、高価格帯の長距離チャーター便は地方都市の空港利用や地方振興の意味を含め、市場の大きさにあわせ全国で展開していく」という。一方、ハワイなど一定の訪問者数のあるデスティネーションについては、「チャーター便というより、臨時便の利用のほうが良いのでは。特に、短距離路線にチャーター便を多頻度で設定することはない」として、デスティネーション選択は慎重におこなう。また、利用機材についても「大型機で燃費の悪い機材ではなく、ボーイング787型機など次世代機が入った場合には、(旅行会社側もリスクを負う金額が下がり)使いやすくなる」とし、ロタ島チャーターで、COが利用するB737型機は燃費が良く、座席数も150席から240席ほどの中型機と供給量も市場に新たなデスティネーションへ展開する規模として適切であるとの考えを示した。
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