ニュー・サウス・ウェールズ、ブルー・マウンテンとロード・ハウを積極的に提案

  • 2008年4月15日
 ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)観光局は今後、同州の世界遺産のうち、最も認知度の高いオペラハウスに加え、ブルー・マウンテンとロード・ハウ島を積極的に提案し、富裕層やSITの取り込みにつなげる考えだ。このほど両地域から観光局担当者らが来日、東京と大阪でJTBロイヤルロード銀座をはじめ、旅行会社20社にセールスコールを実施する。いずれの世界遺産でも雄大な自然と豊富なアクティビティを用意しており、自然やバードウォッチング、釣り、ゴルフなど趣味的な「テーマ」を求めるSITシニア層などに提案できるとの考えだ。また、ブルー・マウンテンには、2009年にエミレーツ航空(EK)グループの6ツ星ホテルが開業予定で、これまでは広く認知されていないリゾートのロード・ハウ島とあわせて、富裕層にアピールしていく。

 ブルー・マウンテンは、ガーデン・ツアーやブッシュ・ウォーク、ロック・クライミング、カヌー、ゴルフ、土ボタル観賞などのアクティビティが楽しめる。ただ、現在の日本人旅行者は日帰りが訪れる場合がほとんどで、滞在時間は3時間前後。ブルー・マウンテン観光局マーケティング・マネージャーのララ・ボーダノヴィッチ氏は、「最低でも1泊しなければ楽しめない」と強調。また、シーニック・ワールド・アジア・マーケティング・コンサルタントの松本吉正氏も、「せっかく世界遺産を訪れながら、世界遺産のエリアに足を踏み入れずに展望台から眺めるだけ」と現状の旅行客の動きを話し、「せめて(スリー・シスターズを眺められる)カトゥンバまでのルートをリッチモンド経由に変えて、果樹園での朝食やマウント・トマー植物園の高山性植物などを楽しんでほしい」と語った。

 一方、ロード・ハウ島はこれまで、NSWなど豪国内の旅行者が多かったという。ただ、ナショナル・ジオグラフィック誌から、「太平洋で最も美しい島」の認定を得ており、地理的な条件からロード・ハウ島に固有の生物も多く、美しい自然が保護されている。このため、1日の受け入れ観光客数を400名に限定しており、車の台数も制限しており、静かに過ごすことができる。島内は自転車で周れるほどで、約500種類の魚が暮らす世界最南端のサンゴ礁にボートで15分ほどと、コンパクトにまとまっている。フィッシングやバードウォッチング、カヤック、ゴルフなどのアクティビティも揃っている。アクセスは、カンタス航空(QF)がシドニーから毎日、ブリスベンからは週末に座席数32席の機材で運航している。