ANAグループ、第3四半期決算は増収増益−国際線旅客数は7.4%増

  • 2008年2月1日
 ANAグループの2008年3月期第3四半期決算(2007年4月1日〜12月31日)は、営業収入が前年比0.6%増の1兆1415億円、営業利益が2.5%増の939億円、経常利益が8.3%増の787億円となった。四半期純利益は、ホテル事業資産売却による特別収益を1118億円計上した結果、176.9%増の1179億円であった。営業費用は1兆475億円と前年比0.5%増、実額で47億円増加しているが、実際は燃油費だけで約224億円増となっており、その他のコスト削減により吸収した形だ。

 事業別の売上高、営業利益は、航空運送事業が売上高5.0%増の9972億円、営業利益9.5%増の873億円、商事事業などその他事業は1%減の1467億円、12.2%増の46億円となった。旅行事業は、市場のニーズに対応した商品やサービスの提供により、売上高が4.6%増の1654億円となったものの、営業利益は17.2%減の24億円となった。前年同期にはホテル事業分として、売上高513億円と営業利益49億円を計上していた。

 航空事業のうち国際線では、旅客数が7.4%増の364万人、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)が7.9%増の212億3400万ASK、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は6.6%増の160億9100万RPK、利用率は0.9ポイント減少し75.8%。売上高は、14.3%増の2397億円。欧米路線とアジア路線を中心に、ビジネス需要が堅調であった。一方、国内線は主要路線における競争の激化や、需要の鈍化などにより、旅客数は1.8%減の3478万1000人となったものの、「特割」や「旅割」など需給に応じて柔軟に運賃を設定したことや、ビジネス需要喚起のプロモーションを強化したことにより、旅客単価が上昇し、売上高は2.2%増の5690億円となった。

 なお、3月期の連結業績予想に変更はない。業績予想は、営業収入が前年並みの1兆4900億円、営業利益が14.3%減の790億円、経常利益が26.4%減の460億円、当期純利益が96.3%増の640億円。