インタビュー―ワロン・ブリュッセル観光促進局日本支局長 ダミアン・ドーム氏

  • 2008年1月30日
ワロン・ブリュッセル観光促進局日本支局長のダミアン・ドーム氏

ワロンのあたたかさ、小規模高品質の宿泊施設を強みに



 ワロン地方の魅力を「あたたかみ」と表現する、ワロン・ブリュッセル観光促進局日本支局局長のダミアン・ドーム氏。今後3年程度をかけて、ワロン地方とブリュッセルを組み合わせた旅行を提案していく。日本市場で浸透するベルギーのイメージは大切にしつつも、ワロン地方の独自性を打ち出し、定着をはかる。これにあわせロゴマークを設定。ベルギー観光局ロンドン支局で使用していたものを全世界共通で使うが、ブリュッセルを象徴する「アトミウム(1958年ブリュッセル万博のシンボル)」と、ワロン地方の木をデザインに取り入れて都市と田舎の両方の魅力を表し、暖色を使用することで、のんびり、ゆったりと、心身ともにリラックスできる「あたたかみ」を表現できたと語る。

 「のんびり過ごすイメージを感じてもらいたい」との目的から例えば、業界向けのセミナーを、体験型の「凧揚げ大会」や「ピクニック」と併催するなど、ユニークな試みも検討中だ。こういった取組みは、「ツアー造成にすぐ結びつくわけではない」としつつも、「印象に残り、業界内で覚えてもらえる」と期待を示す。また、2008年はワロン地方を中心に、ブリュッセル出身のアーティストのフォロン氏を取り上げる「フォロン2008」が開催される。フォロン氏の絵や彫像は、柔らかな色使いや造形などワロン地方の「あたたかみ」に通じる作品で、日本でも全国で展覧会などのイベントが開催されることから、イメージ確立に役立てる考えだ。

▽FITをメインに2008年は最低でも5%増を

 プロモーションの方針としては、FITを中心に展開。「2007年比で、最低でも5%増を達成したい」との意気込みを示す。2007年は訪問者数、宿泊数ともに順調な伸びを見せているという。このうち、FITは全体の約74%、全体の約60%がリピーターであることから、「旅慣れた人が来ている」と説明する。その一方で、グループツアーの取り込みも進める方針。特に昨今の「質」重視の傾向のなかで、定員を少人数に抑えたツアーが増えており、ワロン地方に多い小規模ながら質の高い宿泊施設の利用を提案したい考えだ。

 また、ウェブサイトのリニューアルも予定する。現在は従来のベルギー観光局のサイトを継続しているが、2009年には大々的に刷新する予定で、画像を多用し、視覚的にイメージしやすいようにする方針。また、ブログなど双方向性のコミュニケーションの提供も検討している。


>>インタビュー―ベルギー・フランダース政府観光局東京支局長 須藤美昭子氏