年頭所感、日本航空、全日空

  • 2008年1月7日
▽JALグループCEO 西松遙社長

 2008年は3つのことを目標に、JALグループの舵取りを行っていく。一つ目は「品質に磨きをかける」こと。今よりも高いレベルの安全性、定時制をめざし、しっかりと定着させたい。二つ目は「燃油高をはねのける」こと。シンガポールケロシンのバレルあたり110ドルを突破する水準でも、継続的に利益を生み出せる新たなビジネスモデルを構築する必要があり、検討を急いでいる。

 三つ目は「バランスシートを一刻も早く改善する」こと。テロやSARSなど地政学的な事象の影響で、財務体質が大きく悪化したが、万一、かつてのような急激な落ち込みにも耐えうるよう、バランスシートを一刻も早く健全なかたちに改善することが重要な課題だ。これから先も、会社再建を果たすために多くの試練に立ち向かわなければならないが、全員が強い意志で望めば、必ず乗り越えられると確信している。


▽ANA代表取締役社長 山元峯生氏

 今年は安全、グループ、グローバリゼーション、イノベーションの4つのキーワードを掲げたい。安全は経営の基盤であり、社会への責務で、安全確保に貢献した判断や経験は、確かな仕組みを全社の財産としていく。グループは、一体感のある「team ANA」として機能すること、特に、イレギュラー時こそ真価が問われ、安全面を含めて信頼していただけるANAグループを築いていきたい。

 グローバリゼーションはアジア地域の経済成長にあわせ、ANAグループの国際線網を拡充したいが、販売、コストの面から現在の体制で利益をあげることは困難だ。航空自由化は必ず進展し、ビジネスチャンスとするには、斬新な発想を取り入れた新しい体制に生まれ変わりたい。2015年には国際線旅客事業を現在の3倍、貨物事業で7倍とし、国内線旅客事業とあわせ、それぞれ7000億円とする「777」(トリプルセブン)へ挑戦を続ける。

 イノベーションは、サービス、生産、販売、経営など別次元の新しい価値を生み出すために必要。今秋には最新鋭機ボーイング787型機のローンチカスタマーとして受領するが、世界があっと驚く「世界初」を次々と打ち出せるANAグループになるため、考え方、新技術を貪欲に取り入れていく。