国土交通省総合政策局観光部門の平成20年度予算内示は、前年度分の1億5000万円増となる42億7000万円となった。概算要求では58億2000万円としていたが、国交省全体の予算が前年比3％減となっており、対前年に比べてプラスとなっているのは、観光に対する相当の配慮だという。

　今年は主要新規施策として、2泊3日以上の滞在型観光を促進する支援制度としての（1）観光圏整備促進事業の創設と、平成23年に国際会議の開催件数5割増に向けた（2）国際会議開催・誘致の推進を設置。特に国際会議は、従来はVJC内の予算であったが、20年度から会議開催の決定権者に対する働きかけに向けた誘致活動の促進と、それにかかるマニュアル作成やデータベースなどのソフトインフラの整備を加え、改めて位置づけた。また、今年で5年目となるVJCは、単に訪日を促した初段階から、リピーター化を促進する「VJCアップグレードプロジェクト」に取り組むため、前年より4077万2000円減となったものの、30.6億円の最大額を確保した。そのほか、観光旅行の促進に向けた環境整備で、需要喚起に結びつける施策として1900万円が新たに認められた。

　なお、国交省では観光関係予算とは別のODA関係予算内で、アウトバンドに寄与する予算として「観光開発促進協力事業」を要求していたが、1500万円が認められた。従来から行なっていた日本からの人員を派遣による観光関係の調査等を実施と、対象国の政府に対する観光施策の提言に加え、20年度からは対象国から観光関係の人材を入れ、日本人客の誘致に向けたサービス提供方法などを学んでもらう使途を加えた。


▽平成20年度観光関係予算内示額（項目　内示額／伸び率）

◆国際競争力の高い魅力ある観光地の形成　4億1585万8000円／1.17倍
・国際競争力の高い魅力ある観光地の整備促進事業　2億7908万1000円／皆増（新規）
・観光ルネサンス事業　1億3677万7000円／0.38倍

◆観光産業の国際競争力の強化および観光の振興に寄与する人材の育成　7471万4000円／1.10倍
・観光産業のイノベーション促進事業　2029万9000円／皆増（新規）
・観光の振興に寄与する人材の育成　5441万5000円／0.95倍

◆国際観光の振興　34億2138万4000円／1.00倍
・ビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトの推進　30億3042万1000円／0.99倍
・国際会議の開催・誘致の推進　3億7136万1000円／1.04倍
・世界観光機関（UNWTO）地域委員会　1960万2000円／皆増（新規）

◆観光旅行の促進のための環境の整備　7711万円／0.93倍
・国内旅行需要創出・平準化等促進実証事業　1869万5000円／皆増（新規）
・ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光促進事業　288万2000円／1.12倍
・ニューツーリズム創出・流通促進事業　5553万3000円／0.69倍


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