JR東日本と全日空、マイルなど包括提携、ダイナミックPKGでの連携も視野

  • 2007年12月7日
 東日本旅客鉄道(JR東日本)と全日空(NH)は、営業面で包括提携することで合意した。「陸と空」をシームレスにつなぎ、利便性の高いサービスの提供をめざす。具体的な展開は、マイルからスイカのポイントへの交換、共通カードの発行、予約ウェブサイトの相互利用、旅行会員向けの商品の共同企画の4点。これ以外にダイナミック・パッケージやインバウンドへの対応、一般消費者向けの商品発売など、消費者の利便性を重要な判断基準とし、様々な展開を検討する。

 ポイントの交換は、「ANAマイレージクラブ」と「スイカ・ポイントクラブ」の両方に入会している会員を対象に、08年2月から開始。共通カードでは、NHのスキップサービスとスイカのサービスを連携し、鉄道やモノレール、バス、航空機を1枚のカードでシームレスに乗り継ぐサービスを提供する。08年秋にはカード会員の募集を開始する予定。またウェブの提携は同じく08年秋から、個人向けと法人向けの両面で実施。個人向けには、JR東日本の「えきねっと」と「ANA SKY WEB」で2つのサイト間の移動を簡単にし、相互の予約、購入機能を利用可能にする。法人向けには「ビジネスえきねっと」と「ANA@desk」の会員が相互のサービスを利用でき、ANA@desk会員は航空券とJR券の一括清算も可能だ。

 旅行商品では、既に3月出発の商品を2コース、山形県庄内地区と北海道で設定。北海道では往路で北斗星かカシオペア、復路にNH便を利用し、ANAセールスの「感動案内人」が現地を案内。「大人の休日倶楽部」の会員74万人と「ANAマイレージクラブ旅達」の会員72万人に向けて販売する。旅行会員については、提携の効果を含め、JR東日本では「大人の休日倶楽部」の会員数を現在の74万人から08年末までに110万人に、NHでは「旅達」の会員数を現在の72万人から08年の早い時期に150万人への増加をめざす。「旅達」の会員層は30代から50代が中心で、「休日倶楽部」はシニア層が対象で、相互補完的な提携という。

 なお、他のJR各社との提携についてNHでは、「現時点ではそのような関係にない」という。また「JALカードスイカ」など、従来は日本航空(JL)とも営業面で提携してきたJR東日本も、「(JLとの関係は)変わりない」としている。