冬柴大臣、中部の第2滑走路は「利用実績が必要」−愛知県知事が要望提出

  • 2007年11月21日
 愛知県知事の神田真秋氏が11月20日に国土交通省を訪問、国土交通大臣の冬柴鐵三氏に、中部国際空港の第2滑走路の早期整備に関して要望書を提出した。先ごろに神田氏をはじめ、中部国際空港取締役会長の平野幸久氏らがヨーロッパと北米に訪問し、トップセールスを実施したことも報告。アジア・ゲートウェイ構想の枠組みにおいて、完全24時間化を目指した整備を訴えた。

 これに対し冬柴大臣は、必要性に理解を示しつつ、「まずは使うことが重要」と語り、便数増加という目に見える形で第2滑走路への需要を表現するべきとの考えを示した。特に、この冬スケジュールでは国際線が初の減便となり、さらに今後の減便も発表されており、環境としては厳しい側面もある。大臣の発言はこうした動向を踏まえつつ、中部圏として需要を作り出す努力が必要であるとの考えを示したとも取れる。中部国際空港では開港以来、国内線の就航を目的とした国内プロモーション、国際線対象の空港プロモーション、旅行業界を巻き込んだ名古屋圏でのTV番組を活用した需要喚起策のほか、中部圏の高速道路網の整備を受けた北陸地方への中部利用促進などの活動も展開しており、こうした地道な活動により、目に見える形での需要増加を大臣は求めていると想定される。

 なお、今回の要望活動は、岐阜県や三重県、名古屋市、名古屋商工会議所、中部経済連合会、および中部空港が合同で実施した。