市場活性化には自由化が必要−制限でも供給増の苦肉の策がA380投入

  • 2007年9月14日
 JATA国際観光会議マーケティング・プログラムにおいて、今後の日本の旅行市場の拡大のポイントとして、外国航空会社として、ユナイテッド航空(UA)、シンガポール航空(SQ)が登壇し、航空の自由化、ハブ機能の強化が旅行促進につながるという方向性を示した。アジア・ゲートウェイ構想に基づく自由化、2010年の成田の滑走路延伸、羽田の4本目の滑走路など総量の増加など旅行を促進する素地が整いつつあるが、さまざまな方面での「自由化」がさらに必要だ。

 UA太平洋地区副社長のマーク・シュワブ氏は「日本は世界第2位の経済大国で、大きなプレーヤーであることは否定できない」と述べ、再活性化に向けた期待も表明したが、ハブ機能を高めた空港、自由化の促進など、政策決定機関の理解が不可欠との考えを示した。特に欧州の例をひき、「フランクフルト、シャルル・ド・ゴールが近年はハブ機能を高めて成功している一方で、ヒースロー、アムステルダムはやや低下している」と指摘。日本では成田に昨年、スターアライアンスの共同ターミナルとして運営を開始し、「1年で接続旅客が倍増、この夏も記録を更新している」という。

 SQ日本支社長のフィリップ・ゴー氏は「他国で自由化が進み、ヨーロッパでは大きな刺激があった」とし、「日本でも何をすべきかがわかる」と自由化のメリットを指摘。ただし、空港の発着枠に制約があることから、エアバスA380型機を成田にも就航させ、「苦肉の策だが、(供給が)26%増となり、それが需要になる」とも強調し、新たな大型機材の投入により、供給増、新サービスの提供だけでなく、旅行促進にもつながるという考えを示した。