JTB、19年度のインターネット取扱額は22%増の701億円
ジェイティービーグループの平成19年3月期(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)連結決算のうち、インターネット関連の取扱額は前年比22%増の701億4626万円となった。このうち、インターネットで予約、決済が完了したオンライン販売は23%増の452億4036万円、電話やメールでの予約、決済をしたオフライン販売は19%増の249億589万円であった。JTBはインターネット専業旅行会社の台頭で、この分野での対応を迫られており、国内、海外でダイナミック・パッケージの展開を始めるなど、このところ本格的なネットでの販売展開を進めている。ただし、インターネット専業の楽天トラベルの四半期の単純合算と比較すると、楽天が公表する流通総額のトラベル事業は25.7%増の1893億7000万円、売上高で37.4%増の112億8500万円、営業利益で45.3%増の49億3500万円と比べると、伸び率についてはJTBも追いついてきた感があるものの、流通総額/取扱額の単純合算で正確な比較は出来ないものの、額面上に開きがいまだ見られる。
特に、国内宿泊施設については楽天トラベルの3月末現在は2万1528軒、対してJTBの契約施設数は8000軒で、今年度に1万5000軒まで拡大する方針。既に、JTBは取引先として多く確保しているものの、ネットでの主力市場となっている国内宿泊施設での全面的な競争は急務で、3月には宿泊専用予約サイト「るるぶトラベル」を開設したばかり。JTBでは、「営業スタッフを増加する予定」としており、いわゆる「泥臭い営業」も含めて国内市場を皮切りに本格的なネットビジネスへの取組みが進められそう。
昨年の分社化で、i.JTBがグループ内のネット展開で主導的な役割も果たしている。しかし、ネットビジネスでは、総合力が勝負の分かれ道ともなっており、かつ多くの商材がある中で、自社商品だけでなく、他社の競合から埋没しない販売戦略も重要。加えて、近畿日本ツーリストもダイナミック・パッケージの本格展開を控えているほか、既に各社がダイナミック・パッケージの流行をひとつのきっかけとしてインターネットでのビジネス展開に本腰を入れ、競争は一段と激しくなっている。今後のJTBのネット展開はグループとしての総力を活かしながら、先行する楽天などに対してどこまで巻き返しが図れるのかがひとつの見どころとなってくる。
▽参考記事
JTB、ネット含むシステム投資を強化、3ヶ年で毎年100億円規模を想定(2006.06.01)
JTB、新たな宿泊専用予約サイト「るるぶトラベル」を開設(2007.02.28)
楽天、トラベル事業の第1四半期は前年同期比で27.3%増の営業利益に(2007.05.18)
特に、国内宿泊施設については楽天トラベルの3月末現在は2万1528軒、対してJTBの契約施設数は8000軒で、今年度に1万5000軒まで拡大する方針。既に、JTBは取引先として多く確保しているものの、ネットでの主力市場となっている国内宿泊施設での全面的な競争は急務で、3月には宿泊専用予約サイト「るるぶトラベル」を開設したばかり。JTBでは、「営業スタッフを増加する予定」としており、いわゆる「泥臭い営業」も含めて国内市場を皮切りに本格的なネットビジネスへの取組みが進められそう。
昨年の分社化で、i.JTBがグループ内のネット展開で主導的な役割も果たしている。しかし、ネットビジネスでは、総合力が勝負の分かれ道ともなっており、かつ多くの商材がある中で、自社商品だけでなく、他社の競合から埋没しない販売戦略も重要。加えて、近畿日本ツーリストもダイナミック・パッケージの本格展開を控えているほか、既に各社がダイナミック・パッケージの流行をひとつのきっかけとしてインターネットでのビジネス展開に本腰を入れ、競争は一段と激しくなっている。今後のJTBのネット展開はグループとしての総力を活かしながら、先行する楽天などに対してどこまで巻き返しが図れるのかがひとつの見どころとなってくる。
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