旅行各社で入社式、市場変化も顧客に立脚した仕事を呼びかけ

  • 2007年4月3日
 旅行各社で2日、入社式が開催された。各社社長は市場が変化する中で、変化の対応と同時に「お客様への視点」を常に考えながら仕事に取り組んで欲しい旨を表明、各社の成長に欠かせない人材であることを強調した。(写真は近畿日本ツーリスト入社式の様子)


 エイチ・アイ・エスの鈴木芳夫社長は入社式で新入社員へのメッセージで「単なる旅行商品の販売ではなく、お客様一人ひとりにあった旅のコンサルティングサービスを提供するHISのスタイル」において、「コミュニケーション能力を磨いて」と呼びかけた。特に、「HISは現在、海外100店舗計画を推進しており、将来は日本だけでなく世界各地でナンバーワンの旅行会社になることを目指している」とし、メディアで取り上げられるチャレンジだけでなく、日常の小さなチャレンジに取り組み、それが成長の糧になると挨拶した。

 近畿日本ツーリストの太田孝社長は1月に発表した新企業ブランド「KNT!」について触れ、「感嘆符にはKNTを通して『独創的な企業』『選ばれた企業』として新たな方向性、可能性をお客様や社会にお伝えしていくこと」とし、「お客様の声に徹底的にこだわり、明るい笑顔と真心で接してください」と呼びかけ。こうした顧客を基点とする事業では、「自らの考えを持つ自立した人間になって欲しい」と語り、自分にとって面白いことを描き、具体的に実行してみることが大切になると語った。

 日本旅行は金井耿社長が今年で創業102年目であるとし、「守っていかねばならない良い点と改革すべき点とをきちんと峻別」するよう求め、「日本旅行第二世紀を造り上げていくのだという気持ちで取り組んでもらいたい」と訓示した。こうした中で、「どうしたらお客様に選んでもらい、楽しんでいただき、旅の楽しさを発見してもらうか?」や、「競合他社との競争、学生時代に思い描いた『旅行会社の仕事』とはかけ離れている現実」などの壁を乗り越える重要性を問いかけ、「Change(変化)、Challenge(挑戦)、Creative(創造)、Confident(確信)」の「4つのC」を心がけ、万全の準備をし、かつ「自信」を持って仕事をするよう呼びかけた。

 阪急交通社社長の小島弘氏は阪急阪神ホールディングスの誕生などに触れ、「大きな変革の年」と言及。その中で、心構えとして「世界の動き、社会の変化に敏感になって欲しい」、「誠心誠意」の2点をあげ、自らの触角やアンテナを磨き、お客様に喜んで頂くという基本姿勢が大切であると説いた。

 なお、今年の新入社員数はジェイティービー・グループが約500名、KNTが社員、カンパニー社員、エリア社員合計で420名、日本旅行は128名、HISは469名、阪急交通社は45名であった。

※3日11時に加筆しております。