
5月末に起こったインドネシア中部地震、7月中旬の津波に関連し、このほどガルーダインドネシア航空が旅行会社らをバリ、ジョグジャカルタ、ジャカルタと3都市に招き、現状視察を行った。このうち、観光では特に、地震による影響があるジョグジャカルタについては日本人観光客も訪れており、ボロブドゥール寺院、プランバナン寺院を視察した。現状ではボロブドゥールは影響を受けておらず、通常どおりの観光客の受入れ体制、プランバナンについては寺院の手前50メートル程度まで近くからの観光となる。

ジョグジャカルタ観光局のバダン・オアリウイサタ・ダエラ氏は「一部、壊れた施設もあるが、プランバナンも一般公開している」と語り、「今までのデータでは外国からの観光客の60%が日本人」と紹介し、今後の日本市場からの観光客が戻ってくることに強い期待感を示した。 ただし、現状はGAが就航するデンバサールからジョグジャカルタへ入る一般的な航路は10月末以降の冬スケジュールで、これまでの1日3便から1日1便の運航となる予定。GAでは「現段階での決定であるが10月末までの状況を見て判断したい」との考えも示し、バリからの日本人観光客の需要次第で3便体制の運航についても前向きな考えを示した。

ボロブドゥールは9月3日の訪問時に多くの観光客が訪れ、賑わいを見せており、受け入れ態勢についても通常どおりで問題はない。心配されるプランバナンは頭頂部が傾斜し、崩壊の危険性があることから、一般の立ち入りは禁止されている。この現状を視察した一部の旅行会社からは、「観光については問題ない」との意見も上がる中、バリ発となる旅程ではGAが1便体制とすることで、ジョグジャカルタの1日滞在をどのように組み立てるかが話題となった。
これについては、既にカンボジアのアンコールワットにおいて、夜間にライトアップする中で食事、ダンスの披露を見学するツアーも組まれており、こうしたイベントを盛り込む案も出された。具体的には、ボロブドゥールとプランバナンの夜と昼の観光を組み合わせ、1日滞在を実現し、GAの減便に対応するもの。急場しのぎの面も否定できないが、夜のイベントを組むことで消費者の満足度も高まるという見方が大勢の様だ。