全日空と楽天、旅行予約で提携を強化、新会社を設立し「早期に200億円」をめざす

  • 2006年7月13日
 楽天と全日空(NH)は国内旅行で両社が出資する新会社「楽天ANAトラベルオンライン株式会社」を8月1日付けで設立する。既に、国交省に第1種の旅行業登録を申請している。新会社の資本金は9000万円、出資総額は7億円、出資割合は楽天が50%、NHが40%、NHの子会社のANAセールスが10%。代表者は楽天、NHからそれぞれ派遣し、役員も両社からそれぞれ3名ずつ派遣する。なお、新会社の社長はNH、楽天から交互に交代で務める予定で、設立時はNHから派遣する。

 両社は2004年7月からポイントプログラムで提携し、今回はこうした協力関係の拡大の一環。NHの1日900便の航空券、楽天トラベル、ANAセールスがそれぞれ契約する約2万軒の宿泊施設やレンタカーを組み合わせてパッケージ商品「ANA楽パック」として販売する。NHがIIT運賃を新会社に提供、宿泊施設は楽天トラベル、およびANAセールスが提供し、パッケージとする。新会社の年間取扱額について、楽天トラベル社長の山田善久氏は「約200億円程度を早期に達成したい」という。今後は楽天トラベルサイトからの誘導、および楽天会員に対して販促を行う。

 ANAグループとしては、ANAセールスが6月29日からダイナミック・パッケージを開始。これとの違いについて、NH営業推進本部部長の安達俊彦氏は「ANAセールスは主にANAマイレージ(AMC)会員を対象。今回の新会社は楽天会員へのアプローチ」と語り、ダイナミック・パッケージという手法はANAセールスでも展開しているが、ネット販売での楽天の強みを取り入れたいとの考えを語った。
 また、安達氏は楽天トラベルの「民宿から高級施設まで」の品揃え、「素泊まりからぜいたく三昧まで」と旅行先での多様な滞在が可能であること、楽天会員の「若者から熟年まで」の幅広さを魅力としており、供給量が少ない場合でも販売が可能となる点にメリットを見出し、楽天からインターネットビジネスのノウハウについても吸収したい考え。