年末年始の予約状況は前年並み、出発集中で予約がタイトなハワイ・グアム・サイパン

  • 2005年12月7日
 旅行各社の方面別予約状況は前年並みから前年を下回る状況となっている。11月中旬の時点からジェイティービー、近畿日本ツーリスト、日本旅行、ジャルパックの4社では前年比を伸ばしているデスティネーションは少ないものの、既にキャンセル料の発生する時期となっていることから、今後の予約状況の落ち込みは少ないと見られ、これからの伸びが期待されるところだ。

▽年末年始の予約状況(6日現在:トラベルビジョン調べ)
http://www.travelvision.jp/html/pdf/4agent_booking12.pdf

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 各社とも中国については前回の調査同様に予約の伸びは鈍い。反日デモの影響を引きずったまま、レジャーでの回復は冬という季節からも実績として結びついていないようだ。また、一部では12月、1月と年末年始前後の予約についても、ほとんど前年比ベースで変化が無いことから、来年度上期に期待をかけるところもある。

 ハワイは前年を下回るところが多い。ただし、仕入れ面で航空座席、ホテルとも逼迫している中、「ランド部分を強化した」というANAセールスは13%増とまずまずの予約を確保しており、「予約が集中している隙間の出発が順調に埋まっている」という。一方、JTBは13%減であるが、「キャンセル待ちが多い」とし、特定の出発日に集中している状況が続いている。「2日、3日、8日、9日の帰国便が取れない」(アールアンドシーツアーズ)ことも予約の伸びを押さえている要因ともなっているようだ。

 減便で動向が注目されるグアム、サイパンはJTB、日本通運、ANAセールスなどが伸ばしている。「今年は短い休暇で、予約は順調」(R&C)と、短距離のデスティネーションの伸びに期待は高いが、3日から8日まで予約が取りにくい。また、サイパンは日本航空(JL)、コンチネンタル航空(CO)などが地方空港からのチャーター便を実施し、当初の予想よりもホテルの需要はタイトになっている。また、ジャルパックでは現在は17%減だが、「29日、30日の予約は取りづらいが、その他の日に若干の伸びが期待できる」としており、予約の積み増しを狙う。

 アメリカ本土については、ディズニー50周年関連の商品が良く、全般的に売れ行きが良い。また、アジアについては数値を伸ばしているところもあるが、「ヨーロッパ発の需要が好調でボルネオ、ランカウイなどでホテルの予約が取れない」(日新航空)という声もある。ヨーロッパについては、今年の日並びの悪さを利用して、長期の休暇とする傾向もあることから、概ね堅調に推移している。


▽参考記事:11月16日時点の状況
「年末年始のPKG予約は92%から103%、JTB・近ツー・日旅・ジャルパック」
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=22136