VN、機材繰り理由の減便について陳謝、日本人訪問者数は好調で過去最高

  • 2005年10月4日
 ベトナム航空(VN)は、旅行会社を対象としたセミナーで、現況、および機材リース会社との契約に由来する機材繰りについて理解を求めた。VNは現在、新機材の導入を進めており、ボーイングB767-300型機を10月末に返還、リース会社からボーイングB777-200型機3機を導入する予定だ。7月に予定より多少の遅れがあったものの1機の導入が完了、残り2機はボーイング社のスト発生の影響で、7月から11月の導入にずれ込んだ。
 このため、7月、8月に欠航便や遅延便が発生。さらに、10月末にはB767-300型機の返還が決まっており、機材繰りが不可能であることを理由に成田/ハノイ線は10月30日から12月20日までの期間、火・木・土・日の週4便体制から木・土・日の週3便体制となることが決定している。
 こうした事情について、VN取締役コマーシャル担当副社長のファム・ゴック・シン氏は「今回の問題を真摯に受け止め、今後の経営戦略、リスクヘッジを考える」と述べ、最重要と位置付ける日本マーケットに対し、改めて最恵国待遇で臨むことを訴えた。

 VNの日本市場重視の姿勢は旅行会社の販売体制への配慮も含まれる。例えば、来年4月にはインフィニ・トラベル・インフォメーションのマルチアクセス機能の導入を予定。また、ハノイ空港へ近々に日本人スタッフを配置する。さらに、最近は方面を問わず、各社が値上げする傾向の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は7月1日発券分から従来の14米ドルから11米ドルに引き下げ。こうした対応で、日本市場を重要な市場として認識することを営業施策でも表している。

▽ベトナムへの日本人訪問者数は好調に推移
 シン氏は、現在のベトナムへの日本人訪問者数についても言及。「2005年1月から9月末までの日本人訪問者数は前年比20%増の21万9000人。そのうちVN利用者は前年比44%増の13万人」と述べ、好調に推移するマーケットを高く評価。VNでは今年、2002年に記録した過去最高の27万9769人を上回る31万人の訪問者数にのぼると予測している。
 こうした増加基調を支えるのは、観光を目的とするOL層やカップルだけでなく、冬場の熟年層が増加基調にあること。日本/ベトナム間とベトナム国内線との乗継利便が良いことからベトナム各地に旅客が訪れているほか、カンボジアも着実に増えている。今後は、さらに安全なデスティネーションを打ち出し、家族旅行や修学旅行者の拡大を狙う。
 また、7月29日に運航を開始した名古屋/ホーチーミンシティ線は順調なロードファクターを記録。人気の高い週末便は90%を記録しており、平日の中小企業関係者の業務渡航と合わせ、旅客需要全体が堅調に推移しているという。