日本旅行業協会（JATA）は平成17年度のJATA環境基金助成事業において、6団体の助成を決定した。今年から沖縄県竹富島の古謡の伝承と普及に携わる「たきどぅん」をはじめ、文化の保護、継承活動にも対象の範囲を広げた。これはJATA側で助成する細目を絞り込み、事業の核に資金を提供することで、これまでより幅広い団体への援助を行っていく方針としたもの。昨年は58件の応募が今年は37件に減少し、JATAでは減少理由として「JATA環境基金の認知は高まっているものの、競争率が高いというイメージを払拭したい」としており、今回の方針となった。今年の財源は加盟各社の社員を対象とした「JATA環境基金　社員百円募金」が98万円、JATA旅行博で開催するサイレントオークションが136万円など合計で352万円。このうち、今回のJATA環境基金では、6団体合わせて318万1030円を支出する。
　なお、助成団体名、金額は下記の通り。

▽（特）阿蘇ミュージアム
事業内容：修学旅行で訪れる小中高生を対象に、火山や阿蘇の正しい理解を深めるための情報収集、保存、編集。および副読本の作成
助成金額：46万8180円

▽（特）たきどぅん
事業内容：竹富島に伝わる古謡を文化遺産として保存、継承し、現代に生き返らせる
助成金額：55万円

▽（特）黒潮実感センター
事業内容：海底まで見えるクリアカヌーを使うエコツアーの実施と地域環境の保全活動
助成金額：61万9350円

▽ラムサール10・片野鴨池総合研究会
事業内容：ラムサール湿地の保全と伝統的狩猟の両立を目指した持続可能なエコツーリズム
助成金額：53万1000円

▽鎌倉を美しくする会
事業内容：街並みの美しい鎌倉を目指し、違反ベンチの撤去と行政の承認を得た環境対応のベンチの設置
助成金額：45万円

▽（特）夢空間松代のまちと心を育てる会
事業内容：真田十万石の城下町に歴史文化、自然などの小径を開発し、観光振興
助成金額：56万2500円
※注：特定非営利法人は（特）と表記