JAL、平成17年3月期中間決算は黒字転化も通期予想は下方修正へ

  • 2004年11月5日
 JALグループの平成17年3月期の中間決算(平成16年4月1日〜9月30日)は、営業収益が前年同期比13.9%増の1兆757億円で営業利益は868億円、経常利益は1078億円で、純利益は829億円であった。JALは前年同期からの赤字計上を今上期で黒字転化を達成。特に、国際線は前年の不振の反動もあり、有償旅客数は46.2%増の723万8656人、旅客収入は38%増の3460億4000万円と大幅に増加した。一方、国内線の有償旅客数は台風の頻発やアテネオリンピックなどの影響で7.2%減の2252万1914人。ただし、旅客収入はクラスJ導入により旅客単価が改善し、0.3%増の3449億1200万円とほぼ前年並みを維持した。また、燃油単価の高騰や国際線の需要増により営業費用が増加したが、収支改善策や退職給付制度改定に伴う人件費削減などで、前年より40億円減少させた。
 通期予想は、躍進した国際線も東南アジア方面の観光需要が戻っておらず、上期の結果が予想より悪かったことに加え、「燃油価格が高止まりしている。運賃値上げを加味しても下期は厳しい」(西松氏)として、営業収益が前年実績比10.1%増の2兆1280億円(前回予想より620億円のマイナス)、経常利益が660億円(30億円マイナス)、純利益が230億円(130億円マイナス)と下方修正した。このうち、国際旅客収入は17.5%増の6760億円(190億円マイナス)、国内旅客収入は0.45%増の6720億円(180億円マイナス)と予想している。
 なお、旅行企画販売セグメントは、売上高が前年同期比20.9%増の2217億8800万円で、営業利益10億9900万円を計上。ホテル・リゾート事業、カード・リース事業などを含むその他事業は売上高が5.45%増の1274億2700万円で営業利益56億900万円を計上し、「旅行需要が回復した表れ」と見ている。

▽国際線
旅客収入/3460億4000万円(38.0%増)
有償旅客数/723万8656人(46.2%増)
有償旅客キロ/343億5060万人キロ(32.%増)
有効座席キロ/497億7076万席キロ(16.9%増)
有償座席利用率/69.0%(8.0ポイント増)

▽国内線
旅客収入/3449億1200万円(0.3%増)
有償旅客数/2252万1914人(7.2%減)
有償旅客キロ/168億6974万人キロ(6.6%減)
有効座席キロ/264億6398万席キロ(3.7%減)
有償座席利用率/63.7%(2.1ポイント減)