JATA、フィリピン視察団派遣、極端な男女比の解消は上昇に向けた課題

  • 2004年3月3日
 日本旅行業協会は2月28日から、会長の新町光示氏を団長にフィリピンへ視察団を派遣した。これは前フィリピン観光省長官のリチャード・J・ゴードン氏から要請を受け、このほどフィリピンの旅行商品を取扱う数社と共同で実現したもの。フィリピン観光省(DOT)の新長官に就任したロベルト・バグダガナン氏との意見交換のほか、DOTから日本の旅行者の現状についての説明があったという。
 2003年の日本人訪問者数は約5%減の32万人。全世界からの訪問者は190万人から200万人で伸びているのは韓国からの訪問者。ただし、日本人訪問者のシェアはアメリカに次ぎ、2位の訪問者数だが、このところは減少傾向だ。DOTは「外務省の危険情報が観光客の増加の阻害要因」と考えているようだ。現在、マニラに「十分注意して下さい」が継続、今回の視察対象となったボラカイ島は「渡航の是非を検討して下さい」が継続して発出する。ただし、JATAでは日本人渡航者の平均年齢が41歳、男女比が8対2と極端な男性マーケットであることにも原因があると考えているようだ。

▽フィリピンの目標は9%増の35万人
 DOT東日本代表のベニート・C.ベンゾン氏は、今回のJATA視察団が外務省の危険情報の引き下げに協力する姿勢を示したことに好感を示している。特に渡航情報が引き下げとなった場合、「ボラカイ島やパラワンを含む危険情報の発出で影響のある地域へのパッケージ、SIT旅行が増加することを期待する」という。ボラカイ島への日本人訪問者数は1ヶ月約300人程度だが、以前はパッケージツアーも企画されていたことから、フィリピン側の期待も高い。また、男女の構成比が極端なマーケットに対しては「フィリピンの多様性、ショッピング、グルメ、文化を打ち出し、女性にアピールしたい」考えだ。特にマニラのマカティ地区にはショッピング施設やスパなどが揃っており、パッケージに組み込むツアーもあることから、これを促進したい考え。
 なお、DOTによれば2004年の日本人訪問者数は9%増から40%増となる35万人から45万人を目指すという。また、9月に開催するJATA旅行博の出展に際し、東京、福岡、大阪、名古屋へセールスミッションの派遣も予定している。