求人情報

北海道の26社旅行社、連名でホノルル線再開要望とチャーター販促で広告

  • 2003年12月5日
 日本旅行業協会(JATA)北海道支部は新千歳/ホノルル線の早期再開、および11月から3月末にかけて日本航空(JL)および全日空(NH)が運航する冬期の直行チャーター便の販売促進を目的に北海道新聞の7日付けで広告を展開、14日付け新聞紙面にも広告の掲載を予定する。JL、NHの協賛のほか、北海道庁の後援も得ており、ホノルルチャーター便を販売する26の旅行会社が名を連ねる。新千歳発のホノルル便は10月1日からJLが定期便の運休を発表した後、北海道知事がJLに路線維持、再開に向けた陳情を行う事をはじめ、業界内にも危機感が高いという。JATA北海道支部では、「業界全体がハワイに向けた販売促進に盛り上がりを見せる中、広告のサポートをすることで需要喚起をしたい」とする。
 新千歳発のチャーター便は11月から3月発まではJL、NHを合わせ22便(広告対象は21便)、およびアメリカのチャーター専門会社のオムニ・エア・インターナショナルが1便の運航を予定する。既にNHは11月1日、5日発の2便を運航しており、ボーイング767型機で210席のところ、2便あわせた実搭乗者数は340人と8割を上回る程度であったという。ANAセールス&ツアーズ北海道では、「チャーター便が9月末に決定し、十分な販促活動が出来なかったが、この実績は大きい」と語り、「3月末までの予約動向は実ブッキング数で7割強となっている。最低でも8割以上を確保したい」という。NHの用機者はANAセールス&ツアーズ、およびジェイティービーで、12月26日は近畿日本ツーリストが1社で用機者となっている。
 また、JLが11月19日に運航した便ではボーイング747型機で全386席のうち、実搭乗者数は383人とほぼ満席であったという。JALセールス北海道によると、今後の予約状況は「2月まではほぼ満席で、3月1日、5日の2便はまだ余裕がある状況」と上々の様だ。機材はB747型機のほかDC10型機を利用する予定となっており、アロハセブン、近ツー、JALトラベル北海道、ジャルパック、JR北海道、JTB、日本旅行、名鉄観光の8社が出発日により用機者を務める。

▽北海道からの定期便の復活は?
 NHは新千歳/ホノルル間のチャーター便運航は今年がはじめてのこと。これまで北海道発のチャーター便運航では函館や中標津町からグアムへのチャーターは年に1回から2回程度の実績があるものの、新千歳からの運航は今回がはじめて。前述のANAセールスでは「日米航空協定やNH内での機材の問題など解決するべき問題はあるものの、現在の需要を見る限りにおいては来年もチャーター便を運航したい」としており、北海道で需要の高まる冬の時期にハワイやグアムなどへのチャーター便運航に前向きだ。
 また、JALセールス北海道では、今後の復便の見通しとして、「下期スケジュールでの運休決定はイラクやSARSなど企業としての体力を早期に回復するため。前向きに検討したいが、需要の動向に対応することが先決」という姿勢であり、今後もしばらくはチャーター便の運航で対応する見込み。
 先ごろ、ノースウエスト航空(NW)はこの下期スケジュールで減便した関西/ホノルル線の復便を決定している。これは、業界からの強い要望としてあがっていたと同時に、JLとユナイテッド航空(UA)の2社の運航だけでは結果的に十分ではなかったということも背景にある。今回の北海道の場合、関西市場とは違い市場規模やピーク時の需要等を鑑みると、定期便の再開にはやや時間がかかると予測されるものの、息の長い復便の働きかけとチャーター便での実績作りという継続した販売が近道なのだろう。