【Tabinaka Summit 2026】ジャングリア沖縄、旅ナカ需要に対応した「ふらっとチケット」導入 佐藤副社長が語る開業後の改善と地域共創

  • 2026年6月15日
講演を行うジャパンエンターテイメントの佐藤大介氏

 ジャパンエンターテイメントの佐藤大介取締役副社長は6月12日、「Tabinaka Summit 2026」で講演し、ジャングリア沖縄の開業後の取り組みや地域共創の考え方について説明した。沖縄観光が抱える「地域の稼ぐ力」という課題に触れながら、利用者の声を受けて導入した新チケット「ふらっとチケット」や、地域事業者との連携による観光消費拡大の取り組みを紹介した。

 佐藤氏は、沖縄にも共通する日本観光の課題としてブランド力の向上、渋滞・交通空白、地域の稼ぐ力、人材育成の4点を挙げた。沖縄においても観光客数は増加している一方で県民所得は十分に伸びていないと指摘し、「地域の魅力を消費者価値に転換し、地域にお金を落とす仕組みをつくることが重要」との考えを示した。

 ジャングリア沖縄については、単なるテーマパークではなく「沖縄旅行を最高にするお手伝いをする施設」と位置付ける。沖縄旅行で求められる価値として「興奮」「贅沢」「解放感」を挙げ、「Power Vacance!!」をコンセプトに施設開発を進めてきた。一方で、開発当初は必ずしも沖縄らしさを発信していなかったが、利用者調査を通じて沖縄らしい体験への期待が高いことが判明したため、接客やショー、飲食などに多く地域色を取り入れたという。

 地域共創の取り組みとしては、県産食材を活用したメニュー開発や地域工芸品の販売、地元企業が手掛けるアメニティの採用などを紹介。スタッフ約1300人のうち約7割が沖縄県出身者であることも明らかにし、観光消費だけでなく雇用創出の面でも地域への貢献を目指していると説明した。

 また、開業前には交通渋滞への懸念が大きかったことから、住民説明会や地域との対話を重ね、公共交通の整備や駐車場運用の工夫などを実施した。佐藤氏は「供給を最大化したうえで、その範囲内で需要をコントロールする」との考え方を示し、地域と連携しながら受入環境の整備を進めてきたと振り返った。

 開業後については、アプリの不具合や混雑集中、大雨時の対応、暑さ対策、広告表現と実際の体験とのギャップなどの課題があったことを率直に認めた。そのうえで、運営改善の状況をまとめた「PROGRESS REPORT」を公開しながら、待ち時間の短縮や暑さ対策の強化、新アトラクションの導入などを進めていると説明した。

 利用者の声を反映した施策としては、6月10日に発表した「ふらっとチケット」にも言及した。沖縄旅行の限られた日程の中で、美ら海水族館や周辺観光地とあわせてジャングリア沖縄を楽しみたいというニーズが多かったことから、3時間程度の短時間利用を想定した新たなチケットを導入。佐藤氏は、ジャングリア沖縄を沖縄北部観光のハブとして位置付け、周遊観光の促進につなげたい考えを示した。

 講演の最後に佐藤氏は、ジャパンエンターテイメントが目指す組織として「目的志向で動く組織」「集団知で勝つ組織」「高速PDCAを回せる組織」の3つを紹介。「沖縄から日本の未来をつくる」というミッションの実現に向け、改善を重ねながら挑戦を続けていく姿勢を強調した。