グランビスタ、恩納村と松島で新規2ホテル 挑む2つの宿泊形態
グランビスタ ホテル&リゾートは5日、新規ホテル開業に関する事業戦略発表会を開催し、2026年夏に沖縄県恩納村と宮城県松島町で2つの新ホテルを開業する計画を明らかにした。建設コストの上昇や顧客ニーズの変化を背景に、高付加価値型の宿泊形態に挑む構えだ。
沖縄県恩納村では、コンドミニアム型ホテル「BLISSTIA SUITES & RESORT 沖縄恩納村」を2026年7月15日に開業する。地上13階、地下1階建てで、延床面積は約1万4598平方メートル、客室数は139室。全室50平方メートル以上のスイート仕様とし、分譲とホテル運営を組み合わせた同社初のホテルコンドミニアム事業となる。分譲型ならではの広さや設備を備えつつ、一般宿泊客にも対応し、長期滞在やリピーターの獲得を視野に入れる。
一方、宮城県松島町では、スローラグジュアリーホテル「YOKI MATSUSHIMA」を2026年8月に開業する。全26室と規模を抑え、すべての客室に温泉付きの露天風呂または半露天風呂を備える。日本三景として知名度の高い松島において、日帰り観光が中心となっている現状を踏まえ、滞在型観光の価値を高める拠点とする考えだ。
同社がこの2つの宿泊形態を選択した背景としては、建設工事費の高騰が挙げられた。客室数を多く確保し、一室あたりの単価を抑える従来型のホテルモデルでは、現在の建設コスト水準では収支が成立しにくくなっているという。コスト構造を見直す中で、客室数を抑えつつ単価と体験価値を高めるモデルへの転換が必要だと判断した。
加えて、同社が全事業所における顧客接点を分析した結果、一定の価格帯であっても「本物の体験」や納得感のある価値を求める高額消費層との接点が十分に取れていなかったことが明らかになった。従来は、マスメディアを活用し、一定の客数を確保して稼働率を高めることで収益を確保する事業モデルが中心だったが、今回開業する2施設では、一人ひとりの顧客との関係性をより厚くし、ニーズを明確なウォンツへと引き上げて応えていく方向へ舵を切る。
沖縄については、観光客の約9割がリピーターである一方、人気スポットへの集中や地域間格差といった課題がある。同社は、ホテルを起点に地域事業者と連携し、観光地巡りにとどまらない滞在体験を提案することで、既存の沖縄観光とは異なる切り口を打ち出す考えだ。松島では、宿泊を伴う滞在価値を高めることで、周辺地域への送客につなげる役割も期待されている。
同社代表取締役社長の荒井幸雄氏によると、今後は今回の2施設をモデルケースとし、地域特性に応じた形での横展開も検討していく考えだ。