星野リゾートは予約サービス「FleBOL」で何をめざすのか-18億円を投じて自社基幹システム開発に踏み切った理由とは

-FleBOLの今後の展開について教えてください

久本 すでに「界」と「LUCY」にはFleBOLを導入しており、現在は他のブランドへの導入準備を進めています。運営システムの切り替えやオペレーションの変更、現地スタッフのトレーニングが必要になるため、段階的な導入となりますが、2027年度中には全施設への展開が完了する見通しです。ちなみに、今年7月24日に開業予定の「BEB5門司港」には、すでに導入済みです。

 機能面では、現時点では宿泊予約の変更機能が中心ですが、今後は自社施設内での食事や体験の予約・変更などにも広げていく予定です。

 また、外部レストランとの提携も視野に入れています。すでに一部施設の近隣レストランでは、数年前からTableCheck(テーブルチェック)と接続し、予約できる仕組みを構築していますが、今後はFleBOLとの連携も検討しています。

 将来を見据えた取り組みとしては、FleBOL導入後に予約変更を行ったゲストの数をモニタリングしています。現在は機能を限定しているため、都合が悪くなるなどの理由がなければ、まだ積極的に利用されているわけではありません。ただ、利用者は徐々に増えており、確実にニーズは捉えられていると感じています。今後、新機能を搭載することで、新たなニーズの掘り起こしにつながることを期待しています。

-他企業への「FleBOL」機能の提供は検討されていますか

久本 まずはFleBOLをしっかりと完成させることが先で、今後1~2年をかけて精度を高めていく考えです。他社への提供については、具体的にお声がけをいただいた段階で検討することになりますが、現時点ではそうした動きはありません。

 また、星野リゾートはOTA各社様と密な連携をさせていただいていますが、同様の機能を共同で開発するといった構想も、現時点ではありません。前提となるデータ連携の課題が大きいためです。

-FleBOLは旅行・宿泊業界にどのような影響を与えるとお考えですか

久本 FleBOLはあくまで一企業の取り組みであり、旅行・宿泊業界全体にどこまで影響を与えられるかは分かりません。ただ、宿泊予約の変更や、現地での食事や体験のアレンジなどで、不自由さを感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。

 オンラインで、いつでも自由に予約の変更や滞在のアレンジができるようになることで、旅の体験がより豊かなものになればと思っています。

-ありがとうございました。