大畑会長、アウトバウンド需要喚起を改めて強調 OTOA新年会
OTOA大畑貴彦会長
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)はこのほど、都内で新年会を開催した。過去最多となる関係者が出席する中、大畑貴彦会長は海外旅行復活への強い意欲を示した。来賓として登壇した観光庁の田中賢二審議官も、アウトバウンド促進を観光政策の柱の一つとして位置づける考えを示した。
新年会の冒頭で挨拶に立った大畑会長は、各国大使館、観光庁、業界関係者への謝意を述べたうえで、OTOAの歩みと今後の方向性を示した。協会は1974年に前身団体が設立され、今年8月に社団法人化35周年を迎える。旅行業法改正への対応や海外地上手配基本契約書の整備、OTOA保険の導入など、先人の積み重ねが現在の基盤を築いてきたと振り返った。
そのうえで、温故知新の精神のもと、若手会員を中心とした委員会制度を復活させ、安全対策、調査研究、インバウンドの各分野で活動を再開したことを報告した。環境変化が激しい中、会員各社の主体的な参画を呼びかけ、協会として実務面での機能強化を進める考えを示した。
旅行需要については、アウトバウンドが回復基調にある一方、2019年比ではなお約2割減と道半ばである現状を説明した。観光立国実現にはインバウンドとアウトバウンドの双方向交流拡大が不可欠であり、若者層の海外渡航促進が将来の国際感覚醸成につながると強調した。
続いて来賓祝辞に立った田中審議官は、訪日外国人旅行者数と消費額がともに過去最高水準で推移していることに触れ、インバウンドは力強い成長軌道にあるとの認識を示した。一方で、日本人出国者数も回復が進んでおり、アウトバウンド促進は国際相互理解や人材育成の観点から極めて重要だと述べた。
観光庁では、次期観光立国推進基本計画において国内交流とアウトバウンド拡大を柱の一つに据える方向で検討を進めているほか、令和8年度予算案でも双方向交流拡大に向けた環境整備に重点的に予算を配分したという。今後は海外教育旅行を通じた若者の海外渡航促進や、地方空港を活用した交流拡大に一層取り組む考えを示し、旅行業界との連携に期待を寄せた。
大畑会長は、インバウンドにおけるオーバーツーリズムや人手不足といった課題にも言及し、国際情勢に左右されやすい分野であるからこそ、業界として冷静かつ持続的な取り組みが必要だと指摘した。2026年は昭和100年の節目にあたり、先人の努力に学びながら新たな価値創出を目指す年と位置づけ、海外旅行の復活に向けて同協会と会員各社一体で飛躍の年としたいと結んだ。


