JAL、日本とハワイの歴史的つながりを軸にアウトバウンド促進へ
日本航空は、日本人の海外旅行需要回復を見据え、日本とハワイの歴史的な関係性を生かした交流強化に乗り出す。自治体や教育機関、企業を巻き込んだ双方向交流を通じ、アウトバウンド需要の創出と持続的な人流拡大を目指す。
訪日客数が拡大基調にある一方、日本人の海外旅行はコロナ前水準に回復していない現状を課題と捉え、日本発の人流を生み出すことで相手国との健全で持続的な関係構築に貢献する考えだ。1954年のハワイ線開設以来、70年以上にわたり培ってきたネットワークを基盤に、地域と海外の自治体や教育機関、企業を直接結ぶプラットフォームとして機能する。
具体的には、2026年5月にホノルルで開催される「第2回ハワイ-日本姉妹州・姉妹都市サミット」を事務局として支援する。観光分野にとどまらず、経済、教育、環境、文化、スポーツなど多分野での連携を探る国際対話の場と位置づけ、自治体首長や関係者の継続的な交流につなげる狙いだ。異国間での自治体交流に伴う言語や制度面の障壁を、海外にもネットワークを持つ航空会社が調整役となることで円滑化する。
加えて、長年支援を続けてきたホノルルマラソンも、日本とハワイを結ぶ象徴的な交流機会として位置づける。2025年大会からはグローバルタイトルスポンサーとなり、大会名も「JALホノルルマラソン」に変更された。過去最多となる約4万3千人が参加し、日本人ランナーも約1万2千人に上るなど、人的交流の裾野拡大に寄与している。
JALは今後もハワイに限らず、海外各国と日本を結ぶ双方向の人流創出に注力し、海外旅行市場の活性化と地域間交流の持続的発展を支えていく方針だ。