年末年始の航空需要動向、ANA・JALともに高水準、国際線はANAが牽引

 2025年度年末年始期間の航空予約動向が出そろい、ANAとJALの両社ともに一定の需要を確保した。日並びの良さを背景に、ANAは国際線を中心に前年を上回る伸びを示し、JALは国内線で沖縄方面を軸に底堅い需要を維持した。

 ANAが発表した2025年度年末年始期間(2025年12月26日から2026年1月4日)の予約状況によると、国内線の予約数は146万9008人で前年同期比101.2%と前年を上回った。提供座席数は97.8%に抑制されたものの、予約率は84.7%と前年から2.8ポイント上昇しており、需給調整が奏功したかたちだ。方面別では関西方面が前年比104.8%、北海道方面が102.5%と好調で、下りは12月27日、上りは1月3日と4日にピークを迎える。

 国際線では回復基調が一段と鮮明で、予約数は26万7510人と前年同期比111.5%に拡大した。提供座席数も106.7%と増便が進み、予約率は86.5%と前年から3.7ポイント上昇した。全方面で前年を上回る水準となり、とりわけハワイ線は年末年始期間として過去最多となる2万4774人の予約を記録した。日本発需要ではハワイに加え、バンコク、シンガポール、ソウルなどアジア方面が好調で、レジャー需要の本格回復を印象づける結果となっている。

 一方、JALグループの年末年始期間の予約状況を見ると、国内線の予約数は102万7286人で前年同期比96.6%とやや減少した。提供座席数も98.4%となり、予約率は79.7%と前年を1.5ポイント下回ったものの、下りは12月27日、上りは1月3日を中心に高い予約率を維持している。方面別では沖縄方面が前年を上回る予約数となっており、リゾート需要が国内線の下支え要因となっている。

 JALの国際線は日本発着合計で22万221人の予約を集め、前年同期比98.5%とほぼ前年並みを確保した。予約率は84.5%と前年から低下したものの、北米、欧州方面を中心に予約数が増加しており、長距離路線の需要回復が進んでいる。ピークは日本出発が12月27日、日本到着が1月4日で、ANAと同様に年末年始後半に帰国需要が集中する傾向がみられる。