万博が関西経済を活性化、旅行者消費各地で二桁増 Visaデータが示すキャッシュレス需要
2025年大阪・関西万博の開催が、関西地域の観光・商業に大きな経済効果をもたらしたことがVisaの調査で明らかになった。VisaNetデータによると、万博期間中の大阪府における消費額は前年比約13%増、訪日旅行者による支出は14%増と大きく伸び、キャッシュレス決済の普及も地域経済の活性化に寄与したことが示された。
ビザ・ワールドワイド・ジャパンによる分析では、2025年4月から10月までの万博開催期間中、国内外の旅行者が大阪を中心に関西各地を訪れ、地域経済に顕著な効果をもたらした。特に訪日旅行者による消費は大阪・京都で20%、奈良で25%、兵庫で10%増加し、全国平均(10%増)を上回った。
訪日旅行者のうち、大阪での消費額の上位は米国、台湾、中国本土で、フランス・ドイツからの来訪者の支出は約75%増と、万博の国際的な吸引力を裏付ける結果となった。また、富裕層カード会員による消費も活発で、大阪では15%増、特に海外富裕層では20%増と一般層を上回った。これにより、交通・飲食・百貨店など多様な分野で高額消費が見られた。
キャッシュレス化の進展も注目される。大阪における対面取引の約7割がタッチ決済となり、全国平均(65%)を上回った。タッチ決済による消費額は京都で50%、兵庫で55%増と大幅に伸長し、全国平均の40%増を超えた。特にタッチ決済対応の中小事業者では消費が25%増加した一方、未対応の事業者では10%減少しており、キャッシュレス対応が需要獲得の鍵となった。
中小事業者においても万博効果は明確で、大阪では前年比10%増、京都で20%、奈良で15%増となった。訪日旅行者の消費拡大がこうした地域企業の売上を押し上げたとみられ、観光経済の裾野が広がったことがうかがえる。

