JAL、万博閉幕で次世代エアモビリティと地方周遊の成果を総括

10月13日に閉幕した大阪・関西万博。JALは会期を通じて次世代エアモビリティ体験や特別塗装機の展開、都市内周遊と地方送客を組み合わせた施策を実施し、来場者の移動価値向上と人流創出に貢献したと総括した。
JALは万博の理念「いのち輝く未来社会のデザイン」と自社の「JAL FUTURE MAP」の整合性を強調し、社会全体のウェルビーイング実現に向けた取り組みを展開した。会場には2500万人超の来場者が訪れ、関西および各地の魅力発信の機会になったとしている。次世代エアモビリティの認知拡大では、イマーシブシアター「Sora Cruise By Japan Airlines(そらクルーズ)」を設置し、閉幕時点で累計体験者は12万9055人に到達した。同領域は2026年に関西で実機を用いた実証運航、2027年には観光・防災・物流などでの初期事業化を見込む。
誘客と需要喚起では、特別塗装機の運航や限定グッズ販売を通じて万博機運を醸成し、なかでも「JALミャクミャクJET」は10月14日に運航を終了。前日には伊丹空港格納庫で送別イベントを実施した。都市内回遊と夜間需要の拡大に向けては、大阪の食や夜景を楽しむバスツアーを西日本JRバスと実施し、梅田・なんばのオーバーツーリズム緩和とナイトエコノミー活性化に取り組んだ。さらに9月5日から閉幕日まで、夢洲と大阪市内を結ぶ「JALレストランバス」を1日3便運行し、ミシュラン星獲得店が参加して移動と食体験を一体化した体験商品を提供した。
地方分散の面では、訪日客の都市集中を是正する目的で、JALの地方路線を活用した文化・自然・郷土料理を軸とするツアーを企画・販売し、地域活性化と経済効果の向上に寄与した。万博閉幕によせたメッセージでは、万博を契機に移動の身近化と地域の魅力発信、新たな人の流れの創出を通じたウェルビーイング社会の実現を掲げ、10月6日にはSWGs(Sustainable Well-being Goals)に賛同する企業とともに将来アジェンダを提唱したとし、今後も「万博で得た経験と多くの支援を力に、移動を通じて人々のウエルビーイングに貢献」するとの方針を示している。