ワインとツーリズムで地域をめぐる-Japan Go Round塩川一樹氏の新たな挑戦

  • 2026年1月15日
-地域資源を活かしたツアーの狙いを教えてください。

塩川 その土地に根づく匠たちを訪ね、地元のワインや食事を楽しんでいただく旅を通じて、日本の“本質的な豊かさ”に出会ってほしいと考えています。 東京のホテルのコンシェルジュからは、有名観光地では味わえない体験を求める宿泊客の相談が多く寄せられており、私たちのコンテンツを順次提案してほしいとの声をいただいています。こうした期待に応えるべく、お客様に合わせた旅のご提案をしていく予定です。

東御の田園風景を存分に楽しんでいただくため、環境にも配慮し、風景にも馴染むデザインのフォルクスワーゲンの新型EV「The all-new ID. Buzz」を送迎車として導入しました。

-旅行業免許の取得も進められているそうですね。

塩川 はい。先日、第二種旅行業を取得することができ、将来的に第一種も視野に入れています。旅行代理店機能を持つことで、根を張りたい地域と新たなお客様をつなぐ橋渡しが可能になります。BtoBのオンラインコミュニティ「Salon du Terroir」とも連動し、ご縁のある宿泊施設への送客や、職人・生産者を訪ねる学びの旅を企画します。さらに会員制ホームワイナリー「La Maison Rustique」の会員様には、ホームワイナリー体験に加え、国内外のテロワールを巡るツアーをご提案し、移動そのものを学びと感動に変えていきます。

- 「めぐる日本、出会う未来」というミッションには、どんな思いを込めましたか。

塩川 日本の地域経済の衰退は、もう待ったなしの状況です。文化や技が失われ、先人が築いてきた文化や人とのつながりが途絶えていく現実を見て、放っておけないと思いました。私たちは社会課題の解決を掲げながら、自分たちの得意分野である旅行事業を通して“未来をつくる”会社でありたいと考えています。

 そしてもう一つ、旅を提供する側もまた、幸せを感じられること。地元の方々や宿泊施設、旅行会社の方々と心地よい関係を築きながら、共に豊かになるような関係性を大事にしています。

- 業界関係者との協業についてはどう考えていますか。

塩川 私たちは大きな旅行会社を目指しているわけではありません。細やかな手配や現地密着型の取り組みをしている方々からたくさん学びたいと考えています。有名観光地とは無縁の地域や、再生に挑む地域で挑戦をしている志高き各地のリーダーたちと相互に高め合える関係を築きたいです。

- 今後のビジョンをお聞かせください。

塩川 私たちは、単なる旅行の仲介ではなく、自ら地域に根を下ろして事業を行う存在でありたいと思っています。お客様を自らお迎えする覚悟を持ったからこそ、未来への危機感や、ワクワクした挑戦であることを感じており、今まで以上にお世話になってきた宿泊施設の方々への尊敬の念が湧いてきます。 まずは地域の方々に歓迎され、持続的な事業者になることが目標です。地域の味わいを表現すべく、白ワインのリリースは2030年ごろ、赤ワインはその翌年を目標にしています。リリースに向けては、地域の方々に学ばせていただきながらワイナリーを中心に新しい交流の輪を広げていきたいと考えています。

- 最後に、旅行業界の皆さまへメッセージをお願いします。

塩川 観光は“幸せ産業”だと思っています。だからこそ、私たち自身がワクワクしながらチャレンジを続けることが大切です。新しい挑戦にはリスクや困難もありますが、未来の後輩たちを思い浮かべてプロセスを楽しみ、一歩ずつ前に進みたい。これからも皆さまのご指導をいただきながら、一緒に日本の未来をめぐっていければと思います。