テクノロジーとAIが変える、OTAと体験ビジネスのこれから-KYOTOyui 近藤芳彦氏

  • 2025年7月14日

 今回は私が最近気になっている!又は時間をかけているAIの今後について皆さんと考えていきたいと思います。そして観光業、とりわけ体験商品の世界は、ここ数年でガラッと様変わりしてきたと感じております。パンデミックの影響もあって「リアルな人のつながり」を再評価する流れもありましたが、一方で、AIやデジタル技術の進化がものすごいスピードで私たちの現場に入り込んできているのも事実です。今回は、そんなテクノロジーがOTAや体験事業者にどんな変革をもたらしているのかを考えたいと思います。

AIと自分が、ちょっとリンクした(かもしれない)話

 最近ちょっと驚いたことがありました。ChatGPTに何気なく「京都の観光コンテンツ造成の実績ある会社を教えて」と聞いてみたんです。すると、いくつかの会社名が並んだ中で、なんと「トラベル京都」が3番手に紹介されていました。

 これはたまたまなのか、それとも、どこかで私のことを誰かがGPTに教えてくれているのか……?(笑)あるいは、私自身が日々こうやってAIとやりとりしているせいで、ちょっとバイアスがかかってしまったのかもしれません。

 いずれにせよ、「AIはまったくの他人事」ではなく、すでに私たちの仕事や存在と、目に見えないところでリンクしはじめているんだなあと実感した出来事でした。だからこそ、AIやテクノロジーとどう向き合うかは、他人任せにせず、自分の言葉で関わっていくことが大事なんだろうなと思っています。

「誰にでも届く」から「この人に刺さる」へ

 AIと自分が、ちょっとリンクした(かもしれない)話を体験し、AIについてとても興味をもった私が本業に置き換えて考えたのですが、昔は「とにかくいろんな人に見てもらえれば、誰かが予約してくれるだろう」って考え方が主流でした。でも今は違うと思ってます。GetYourGuideやKlookのようなグローバルOTAでは、AIがユーザーの行動履歴や趣味嗜好を分析して「あなたにはこの体験がオススメ」と提案してくるのが当たり前。NetflixやAmazonのレコメンドと同じノリだと思うんです。

 アソビューも最近はユーザーの行動データを活用しながら、地域や季節に合わせた提案を出しています。中小の体験事業者にとっては「そんな高度なこと、ウチじゃ無理」と思いがちですが、実はChatGPTみたいな生成AIなどで小規模でもできる時代になってきました。