TBS、富裕層向け訪日旅行事業に参入 新ブランド「粋暇」を始動

  • 2025年7月1日

 TBSは、外国人富裕層を対象にしたオーダーメイド旅行ブランド「粋暇(すいか)」を立ち上げ、7月1日よりサービスを開始する。日本文化や地域資源を活かした独自体験を提供し、インバウンド市場の新たな需要を開拓する狙いだ。

 本事業は、同社が推進する成長戦略「VISION2030」の中核である「EDGE戦略」の柱、「Global」と「Experience」という2領域に大きく寄与するものとして、旅行事業へ本格参入する。

 「粋暇」は、「粋」と「特別な暇(いとま)」を組み合わせたコンセプトを掲げ、長年のコンテンツ制作で培ったTBSの企画力やネットワークを活用し、唯一無二の体験型コンテンツを提供する。JNN各局と連携した全国ネットワークを背景に、日本各地の文化や自然を深く掘り下げた旅行を提案するという。

 同サービスは、2023年度のJNNビジネスチャレンジで採択されたもので、欧米のVIP顧客を対象に1年間の実証実験を実施。その結果、高い顧客満足度を得たことを受け、今回の本格展開に至った。初期の対象地域はアジア太平洋、フランス、米国で、今後3年以内には中東を含む各地域への拡大を見込む。

 TBSは、旅行が単なる観光を超えて、アートや建築、伝統文化など日本の多様なカルチャーを通じた深い学びの機会になると捉え、同事業を通じて新たな訪日体験の創出を目指す考えだ。